労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  日野車体工業 
事件番号  名古屋高裁昭和58年(行コ)第3号 
控訴人  日野車体工業 株式会社 
被控訴人  石川県地方労働委員会 
被控訴人参加人  日本労働組合総評議会全国金属労働組合石川地方本部 
判決年月日  昭和59年 7月11日 
判決区分  一審判決の一部取消し 
重要度   
事件概要  妥結月実施に固執して51年度の賃上げを実施しなかった事件に係る救済命令の取消しを求める行訴事件で、一審金沢地裁の棄却判決(58・9・16)を不服として会社が控訴していたが、高裁は地労委の命令中遅延損害金の起算点に関する部分を一部取り消し、その余の控訴を棄却した。 
判決主文  1 原判決中、原判決添付記載救済命令1項の昭和51年5月より同年10月までの各月における昭和51年度賃金引上げ分に対し昭和51年5月16日以降支払済まで年5分の割合による金員の支払を命じた部分のうち、控訴人の右各月における賃金支給日の翌日より支払済まで年5分の割合による金員を超える支払を命じた部分につき、取消請求を棄却した部分を取消す。
2 被控訴人のなした前項救済命令中、前項取消にかかる部分につきこれを取消す。
3 その余の部分に対する控訴を棄却する。
4 訴訟費用(参加により生じたものを含む)は 
判決の要旨  1201 支払い遅延・給付差別
 会社が飽く迄も組合に妥結月実施条項受諾を要求する態度を固持し、組合が同条項以外は会社回答を受け入れるとした以後も賃上げ、一時金の支給を行わなかったことを目して、不当労働行為であるとした原審の判断は相当である。

4406 バックペイに利子・付加金を付したもの
 本件救済命令主文第一項は、組合が妥結月実施条項以外は会社回答を受け入れるとした翌日以降支払済まで年五分の金員の支払いを命じているが、賃金支給日の翌日より支払済までの金員の支払いの付加に止めるべきである。

6351 バックペイからの中間収入控除
 本件救済命令主文第一項のうち組合が妥結月実施条項以外は会社回答を受け入れるとした翌日以降支払済まで年五分の金員の支払いを命じている部分は、失当であり、取り消す。

6320 労委の裁量権と司法審査の範囲
 労委による救済命令は、不当労働行為によって生じた状態がなかったと同じ状態に回復させるために必要な一切の事実上の措置をとることを命ずるもので、私法上の権利関係の存否に基づいて法律上の措置を命ずるものではない。

6320 労委の裁量権と司法審査の範囲
 不当労働行為の存在が認定された場合、労委はどのような内容の救済命令をなすべきかについては、救済命令の趣旨、目的の範囲内において労委の裁量に委ねられているものと解される。

4413 給与上の不利益の場合
 賃上げ等の協定が締結されていないのにその支払いを命じる労委命令は違法であると主張するが、不当労働行為の救済に必要な事実上の措置として賃金遡及引上げ等を命じているのは相当であり、違法なものとは認められない。

業種・規模  輸送用機械器具製造業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集19集197頁 
評釈等情報   

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
石川地労委昭和51年(不)第5号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和53年11月14日 決定 
金沢地裁昭和53年(行ウ)第4号 請求の棄却  昭和58年 9月16日 判決 
最高裁昭和59年(行ツ)第298号 上告の棄却  昭和61年 9月16日 判決