労働委員会関係裁判例データベース

[判例一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名  銭高組 
事件番号  東京地裁昭和60年(行ウ)第114号 
原告  株式会社 銭高組 
原告  株式会社 銭高組名古屋支店 
被告  中央労働委員会 
被告参加人  全日自労建設一般労働組合 
判決年月日  平成 2年 5月31日 
判決区分  救済命令の一部取消し 
重要度   
事件概要  昭和53年年末一時金に関する団交において、開催期日及び回答日時などについて別組合と差別したこと、組合員X1の本給を低額に定めたことが争われた事件で、団交の開催期日、回答日時及びその方法について、別組合との間の差別的取扱いの禁止並びにこれに関する文書の手交、組合員X1の昭和53年度本給を定期入社標準者の本給に是正すること及び是正に伴う本給及び時間外手当等の差額の支給を命じた初審命令について会社側から再審査申立てがなされ、中労委は、団交の開催期日及び回答日時等につき、別組合との間の差別的取扱いの禁止を命じた初審命令第1項及び同第2項(交付文)の文言を一部変更したほかは、初審命令を維持したところ、会社側は行政訴訟を提起した。東京地裁は、会社の支店の訴えについては却下し、X1の賃金については救済命令を取り消したが、その余については請求を棄却した。 
判決主文  1 原告株式会社銭高組名古屋支店の訴えを却下する。
2 被告が、原告株式会社銭高組らを再審査申立人、被告補助参加人を再審査被申立人とする中労委昭和56年(不再)第74号不当労働行為救済命令再審査申立事件について、昭和60年6月5日付けでした別紙2命令書記載の命令中、初審命令の主文第3項についての原告株式会社銭高組の再審査申立を棄却した部分を取り消す。
3 原告株式会社銭高組のその余の請求を棄却する。
4 訴訟費用は、原告株式会社銭高組に生じた費用の2分の1、被告及び被告補助参加人に生じた費用の各4分 
判決の要旨  6150 当事者能力・当事者適格
名古屋支店は、法人たる会社の一部を構成する組織にすぎず、それ自体として権利能力がなく、これについて訴訟当事者能力を認める法律の規定はないこと等から訴訟当事者能力を有せず、支店を名宛人とする訴えは不適法である。

4905 経営補助者
救済命令の名宛人とされる使用者は、法律上独立した権利義務の主体であることを要すべきで、法人の組織の構成部分を名宛人として発することはできないが、そのように発せられたときは当該法人に義務づける趣旨と解するのが相当である。

2246 併存団体との関係
会社は、支部との交渉は、他組合より遅い期日を設定し、同組合に対してより短い時間に限定し、譲歩意思を持たずに団体交渉に臨んでいたのであるから、誠実に団体交渉を行わないものとして労組法7条2号の不当労働行為に該当する。

5001 将来における予防、不特定な内容の請求
会社の交渉態度は、一貫して不誠実なものであり、将来同種の行為が繰り返されるおそれがあったことは明らかで、本件命令が別組合との交渉を優先させるなどして不誠実な対応をしてはならない旨等命じたことは適法である。

1202 考課査定による差別
会社は、「定期入社標準者」について自らの判断を前提にX1の本給を定めたものであり、同人の賃金を不利益に扱う意思は存しなかったといえるから、不当労働行為の意思を欠き、何ら不当労働行為を構成しない。

6342 不利益取扱いに関する不当労働行為の成否の判断の誤り
会社は、X1の賃金を不利益に扱う意思は存しなかったといえるから、不当労働行為の意思を欠き、何ら不当労働行為を構成せず、本件命令は事実の認定及び判断を誤った違法がある。

5200 除斥期間
本件初審申立は昭和54年3月29日であることが認められ、同日までは、行為が終わってから既に1年以上経過していたことが明らかで、昭和52年以前の昇格の遅れが不当労働行為になるか否かは判断の限りでない。

業種・規模  建設業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集25集340頁 
評釈等情報  判例時報 1367号  115頁 
労働判例  564号 47頁 
労働法律旬報 1254号 48頁 
中央労働時報  814号 48頁 

[先頭に戻る]

顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
愛知地労委昭和54年(不)第2号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和56年10月20日 決定 
中労委昭和56年(不再)第74号 一部変更(初審命令を一部取消し)  昭和60年 6月 5日 決定 
東京地裁昭和61年(行ク)第21号 一部認容  平成 2年 5月31日 決定 
東京高裁平成 2年(行コ)第78号 控訴の棄却  平成 5年 9月29日 判決