労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  東日本旅客鉄道(神奈川国労バッチ等) 
事件番号  東京高裁平成 9年(行コ)第112号 
控訴人  東日本旅客鉄道 
被控訴人  神奈川県地方労働委員会 
被控訴人参加人  国鉄労働組合 
判決年月日  平成11年 2月24日 
判決区分  控訴の棄却 
重要度   
事件概要  本件は、会社が国労バッチを外すよう強要し、組合バッチの着用を理由に厳重注意・訓告処分に対し、この処分を理由に昭和61年夏季手当を減額支給(5%)したことが争われた事件で、神奈川地労委の救済命令(元・5・15決定)を不服として会社が行政訴訟を提起したところ、横浜地裁が会社の請求を棄却した(9・8・7判決)ため、これを不服として会社が控訴していたが、東京高裁は控訴を棄却した。 
判決主文  原告の請求を棄却する。 
判決の要旨  0210 リボン・ワッペン等の着用
本件組合バッジの着用が就業規則二〇条三項(勤務時間中の会社が認める以外の胸章・腕章等の着用禁止)に違反するかどうかは、本件組合バッジは「会社が認める以外の胸章・腕章等」に該当することは明らかではあるが、同規定は服装の整正により職場内の秩序風紀の維持を目的としているから、形式的に違反するようにみえる場合でも、「職場内の秩序風紀を乱す恐れのない特別の事情」が認められるときは、違反になるとはいえないとされた例。

0210 リボン・ワッペン等の着用
本件組合バッジの着用が就業規則二〇条三項(勤務時間中の会社が認める以外の胸章・腕章等の着用禁止)に違反するかどうかは、国労から多くの組合員が脱退し、国労が弱体化、孤立化していく中で地本から繰り返し出される着用指示のもとでされたものであるから、バッジ自体に具体的な主義主張の記載・表示がなくても、これを着用することによって国労組合員であることを顕示して同僚組合員との結束を高めるとともに、自らの意思で着用しない組合員に心理的影響を与え、さらに、組合員以外の者に国労の団結を示そうとして着用した事情を考慮すると、「職場内の秩序風紀を乱すおそれのない特別の事情」は認められないので、同条項に違反するとされた例。

0210 リボン・ワッペン等の着用
本件組合バッジの着用が就業規則二三条(就業時間中の組合活動の禁止)に違反するかどうかは、国鉄の分割民営化の過程で多くの国労組合員が脱退していく中で、組織と団結維持のために着用指示する状況下で行われたものであり、国労組合員であることを積極的に誇示することで、組合員間の連帯感の昂揚、団結強化への士気の鼓舞という意味と作用を有するから組合活動というべきであり、また、職場内の秩序風紀を乱すおそれのない特別の事情も認められないので、同条項に違反するとされた例。

0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
就業規則三条一項(職務専念義務)違反するかどうかに関しては、国鉄の分割民営化の過程で多くの国労組合員が脱退していく中で、組織と団結維持のために着用指示する状況下で行われたものであり、国労組合員であることを積極的に誇示することで、組合員間の連帯感の昂揚、団結強化への士気の鼓舞という意味と作用を有するから、それ自体職務遂行に直接関係ない行動を就業時間中に行ったもので、職務の遂行に特段の支障を生じなかったとしても、職務専念義務(労務提供の態様において、職務上の注意力のすべてを職務遂行のために用い職務にのみ従事しなければならない)に違反し、企業秩序を乱すものであり、現実に職務遂行阻害など具体的な実害の発生を必ずしも要件とするものではないので、同条項に違反するとされた例。

3608 動機の競合
使用者の行為が従業員の就業規則違反を理由とし、一見合理的かつ正当といい得るような面があるとしても、それが労働組合に対する団結権の否認ないし労働組合に対する嫌悪の意図を決定的な動機として行われたと認められるときには、全体的にみて、労働組合に対する支配介入に当たるとされた例。

0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
3608 動機の競合
会社が行った組合バッジ取り外し指示、指導、処分及び減額措置等の本件措置は、会社が、国鉄の民営分割化に一貫して反対し、国鉄の事業を分割承継した会社にも厳しい対決姿勢で臨んだ国労を嫌悪し、組合員を脱退させて弱体化し、会社内から排除する意図を決定的な動機として行ったものであり、一連の行為は国労に対する労組法七条三号(支配介入)の不当労働行為に該当するとされた例。

業種・規模  鉄道業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集34集237頁 
評釈等情報  中央労働時報 1999年5月10日 953号 66頁 
労働経済判例速報 1999年8月10日 1703号 22頁 

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
神奈川地労委昭和62年(不)第15号
神奈川地労委昭和62年(不)第19号
神奈川地労委昭和62年(不)第29号
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)   平成 1年 5月15日 決定 
横浜地裁平成 1年(行ク)第5号 全部却下  平成 2年 9月21日 決定 
東京高裁平成 2年(行ス)第14号 全部却下  平成 3年 6月 6日 決定 
横浜地裁平成 1年(行ウ)第15号 請求の棄却  平成 9年 8月 7日 判決 
最高裁平成11年(行ヒ)第83号 上告不受理決定   平成11年11月11日 決定 
 
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