労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  日本石油化学 
事件番号  東京地裁平成12年(行ウ)第11号 
原告  日本石油化学株式会社 
被告  中央労働委員会 
被告参加人  X1 外3名 
判決年月日  平成14年 9月26日 
判決区分  請求の棄却 
重要度   
事件概要  会社が、従業員であるX1ら4名が、同人らの少数派組合員としての活動を嫌悪する会社から昇給・昇進等について差別を受け、これが労組法七条一号及び三号の不当労働行為に該当するとして、神奈川地労委に対し不当労働行為救済申立てをし、地労委がこれを認めて発した救済命令を不服とする会社の再審査申立てについて、中労委が初審命令の一部を維持する命令を発したため、会社が本件命令のうち救済を命じた部分の取消しを求めていたところ、東京地裁は、会社の請求を棄却した。 
判決主文  1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。 
判決の要旨  1202 考課査定による差別
補助参加人らがその上司らに対し、自己に対する査定が差別的である旨CDPシートに記載して申し入れていたにもかかわらず、補助参加人らの査定者である上司らが自己の行った査定について合理的な弁明を行った形跡がないことも考え併せると、仮に原告の補助参加人らに対する昇給・昇進差別が存在するとすれば、それは補助参加人らの組合活動を嫌悪する原告の方針の一環として、補助参加人らの査定者が、平成5年度の査定を不当に低く評価したという意味において、不当労働行為意思に基づくものと推認することができる。

6342 不利益取扱いに関する不当労働行為の成否の判断の誤り
労組法七条一号は、文言上損害の発生等が要件となる旨を規定していないのであるから、同号違反の不当労働行為の存在を肯定するには、使用者が不当労働行為意思をもって不利益な取扱いをした事実が認められれば足り、同号所定の不利益な取扱いによって生じた実害の具体的な内容・程度は、同号の不当労働行為の成立要件そのものではないというべきである。

1202 考課査定による差別
6344 支配介入に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
原告が補助参加人らの賃金・昇進を差別的に取り扱ったことは、労組法七条一号の不当労働行為に該当し、また、「自主的・民主的グループ」に属しない平均的な会社従業員らとの昇給・昇進差別は、「自主的・民主的グループ」の活動に打撃を与え、組合の活動方針に一定の方向付けをすることを企図するものであり、組合の運営に対する支配介入として、同法七条三号の不当労働行為に該当するというべきである。

6320 労委の裁量権と司法審査の範囲
補助参加人らについて認められる基本給賞与額の差別について、モデル賃金を基準として昇給させ、既払額との差額を支払うよう命じたことは被告の裁量権の範囲内と認めるのが相当である。また、本件命令は、補助参加人らの賃金について、その時点において現に存する格差を解消することで必要な救済を図ろうとしたものであり、かかる判断は救済命令制度の趣旨に照らして合理性が認められ、労働委員会の裁量権の範囲を逸脱しているものとは解されない。

業種・規模  石油製品・石炭製品製造業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集37集702頁 
評釈等情報   

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
神奈川地労委平成 6年(不)第13号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  平成 9年 6月10日 決定 
中労委平成 9年(不再)第23号 一部変更(初審命令を一部取消し)  平成11年11月17日 決定 
 
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