労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  教育社(解雇) 
事件番号  最高裁平成11年(行ツ)第276号 
最高裁平成11年(行ヒ)第210号 
控訴人  株式会社教育社 
控訴人  教育社労働組合 ほか5名 
控訴人  中央労働委員会 
被控訴人  株式会社 教育社 
被控訴人  教育社労働組合 ほか5名 
被控訴人  中央労働委員会 
判決年月日  平成11年 9月 7日 
判決区分  控訴の棄却 
重要度   
事件概要  本件は、昭和46年の本社社屋移転に伴う労使紛争において、違法な争議行為を企画、実行したとして組合幹部ら10名を懲戒解雇したことが争われた事件である。
 初審東京地労委は、会社の不当労働行為を認め、執行委員長以下10名の原職復帰を命じ、バックペイ及びポスト・ノーティスについては請求を棄却したところ、労使双方から再審査の申立てがなされ、中労委は、初審命令のうち、その後退職した5名の原職復帰を命じた部分は取消し、組合のスト解除通告後の就労拒否の期間についてはバックペイを命ずるのが相当であるとし、これらに関する初審命令主文を変更し、その余の再審査申立てを棄却した。
 労使双方は、これを不服とし行政訴訟を提起したが、第一審の東京地裁は、会社の請求を一部認容し、中労委がバックペイを命じた部分を取消し、その余の請求は棄却し、組合の請求は全部棄却した。
 これに対して、労使双方、中労委はいずれも控訴を提起したが、東京高裁は、中労委命令主文第1項(原職復帰を命じた部分)のうち、(1)本件命令後退職したX1ら4名に関する部分を取消し、右部分の訴えを却下し、(2)その余の本件各控訴を棄却した。 
判決主文  1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。 
判決の要旨  6140 訴の利益
被解雇者中、本件命令後に会社を任意退職したX1ら4名について、同人らに関する命令部分はその基礎を失って効力が消滅するに至り、原職復帰について争うべき法律上の利益が存しないので、右部分の取消しを求める訴えは、不適法であり、却下すべきであるとされた例。

0700 職場規律違反
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合ないし本件被解雇者らの行為は、組合活動の一環としてなされたものであり、就業規則所定の解雇事由に該当する行き過ぎが認められるものの、一方的に組合ないし組合員の行為のみを非難することは相当でなく、それにもかかわらず、実行された本件解雇は、ビラを配布した組合員を具体的に明らかにしないまま、解雇事由を十分に検討しないで性急に決定したもので、組合の行き過ぎた行為に藉口し、組合の三役等の本件被解雇者らを一挙に企業外に排除し、組合の弱体化を意図した労組法七条一号、三号に該当する不当労働行為であるとした原判決が維持された例。

0419 ロックアウトとの関連
6351 バックペイからの中間収入控除
会社側の受けた打撃の程度等に関する諸事情を総合考慮すると、本件ロックアウトは、組合の争議行為に対する対抗防衛手段として相当と認められるものであり、会社は正当な争議行為として右ロックアウト期間中における賃金支払義務を免れるものというべきであり、本件不当労働行為の救済として、本件解雇後の賃金相当額の支払いを命ずることは相当ではないとした原判決が維持された例。

5008 その他
本件命令がポストノーティスを命じなかったことは、本件の不当労働行為の経緯・態様と組合の受けた不利益の回復の程度等諸般の事情を総合勘案すると、労委に認められた裁量権を逸脱した違法はないとした原判決が維持された例。

4408 バックペイが認められなかった例
6351 バックペイからの中間収入控除
本件命令は、昭和51年1月13日から5月31日までのバックペイについて、「組合が1月12日をもってストライキを中止する旨会社に通告し、就労の意思を明らかにしたこと」をもって支払根拠にしているが、ストライキ及び通告後の労使折衝の経緯に照らせば組合の要求は単なる就労要求にとどまらなかったので、会社が通告後もロックアウトを継続したことには相当な事情があったと認められ、これを考慮しないまま、右期間の賃金相当額の支払いを命じたことは、その基礎となる重要な事実又はその評価に誤認があり、労働委員会の裁量の範囲を超えたもので違法であるとされた例。

業種・規模  出版・印刷・同関連産業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集34集531頁 
評釈等情報  中央労働時報 2000年2月10日 962号 54頁 

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
東京地労委昭和47年(不)第23号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和50年12月16日 決定 
中労委昭和51年(不再)第5号・第8号 一部変更(初審命令を一部取消し)  昭和61年 5月 7日 決定 
東京地裁昭和61年(行ウ)第113号・第140号 救済命令の一部取消し  平成 8年10月24日 判決 
最高裁平成10年(行ツ)第275号
最高裁平成11年(行ヒ)第209号
上告棄却・上告不受理  平成12年11月28日 決定 
東京高裁 平成 8年(行コ)第140号・第141号・第143号 
上告棄却・上告不受理  平成12年11月28日 判決