労働委員会関係裁判例データベース

[判例一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名  東海旅客鉄道(東京運転所第二脱退勧奨) 
事件番号  東京地裁平成14年(行ウ)第46号 
原告  東海旅客鉄道株式会社 
被告  中央労働委員会 
被告参加人  ジェイアール東海労働組合 
判決年月日  平成15年 1月20日 
判決区分  請求の棄却 
重要度   
事件概要  本件は、東海旅客鉄道株式会社の新幹線鉄道事業本部の東京運転所の助役が、(1)ジェイアール東海労働組合の結成を妨害したこと、(2)結成後に東京運転所分会所属の組合員に対し脱退するよう勧奨したことが、それぞれ不当労働行為であるとして争われた事件である。
 愛知地労委は、組合の救済申立てを棄却したところ、中労委は初審命令を変更し、組合員に対する脱退勧奨については不当労働行為であるとして支配介入の禁止及び文書掲示を命じ、その余の救済申立てを棄却した。会社は、これを不服として行政訴訟を提起したが、東京地裁は、請求を棄却した。 
判決主文  1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は、原告の負担とする。 
判決の要旨  2625 非組合員化の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
Y1科長の組合員3名に対する言動のうち、組合員X1に対する東京運転所内の他組合と組合との組合員数につき「東京運転所は…何とかフィフティー・フィフティーにならないものか。協力してくれないか。」等の言動は、組合員あるいは組合員になろうとする者に対して、一定の働きかけをすることを要請等するものであり、また、X2に対する労使協調で会社もよくなってきているので、それをだめにするようなことは残念だとして、「これからは若くて優秀な人に職場で頑張ってほしい。」等の言動は、組合から脱退することを勧奨するものであると認められ、組合運営に対する介入に当たるが、組合員X3に対しては、組合から脱退するよう勧奨した等の言動があったことを認めるに足りる証拠は存在しないとされた例。

2625 非組合員化の言動
3410 職制上の地位にある者の言動
会社の直接の関与は認定できなくても、Y1科長の行為が会社の意を体して行われたものであるときは、当該Y1科長の行為が会社の行為とみなしうるので会社に帰責させることができると解するのが相当であるが、Y1科長は、スト権論議を推進するS派が結成した労働組合に対し批判的であった会社の意を体して、当該組合の組合員X1、X2に対し、不当労働行為に該当する行為を行ったものと認められ、Y1科長の行為は会社に帰責させるのが相当であるとされた例。

6360 取消しの範囲
上記からすると、組合員X1、X2に対して行った言動は、いずれも不当労働行為と評価でき、組合員X3に対して行った言動は、不当労働行為と評価できないから、X3に対する言動を不当労働行為として救済命令を命じた部分は取り消すべきであるが、中労委は主文第2項において、組合員X2に対するものと組合員X3に対するものとを区別することなく、「8月22日組合からの脱退を勧奨したことは、…不当労働行為であると認定されましたので、今後このような行為を繰り返さないようにします。」との内容を掲示すべきことを命じているから、X2に対する不当労働行為の認められる本件にあっては、中労委の救済命令を取り消す必要はないとして、会社の本件請求が棄却された例。

業種・規模  鉄道業 
掲載文献   
評釈等情報  中央労働時報 2003年10月10日 1018号 55頁 

[先頭に戻る]

顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
愛知県労委平成3年(不)第5号 棄却 平成7年10月23日
中労委平成7年(不再)第47号 一部変更 平成13年12月13日
東京高裁平成15年(行コ)第37号 全部取消 平成15年11月6日
最高裁平成15年(行ヒ)第50号 破棄差戻 平成18年12月8日
東京高裁平成18年(行コ)第326号 棄却 平成19年10月25日
最高裁平成20年(行ツ)第36号、平成20年(行ヒ)第36号 上告棄却・不受理 平成20年3月18日