労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  東日本旅客鉄道外1社(神奈川不採用)外3件 
事件番号  東京地裁平成 8年(行ウ)第12号 
       平成 8年(行ウ)第52号 
       平成 8年(行ウ)第118号 
       平成 8年(行ウ)第175号 
原告  国鉄労働組合(全事件) 
原告  国鉄労働組合仙台地方本部(宮城事件・福島事件) 
原告  国鉄労働組合東京地方本部(神奈川事件・東京事件) 
原告  国鉄労働組合東京地方本部横浜支部(神奈川事件) 
原告  国鉄労働組合東日本本部(宮城事件・福島事件) 
被告  中央労働委員会 
被告参加人  東日本旅客鉄道株式会社(全事件) 
被告参加人  日本貨物鉄道株式会社(神奈川事件) 
判決年月日  平成15年 4月30日 
判決区分  請求の棄却 
重要度   
事件概要  本件は、会社が、国鉄の分割・民営化に伴う会社発足時の職員の採用に際し、組合員を採用しなかったことが不当労働行為であるとして、争われた事件である。
 神奈川、東京、宮城及び福島の各地労委は、いずれも、組合員が昭和62年4月1日付でJR東日本等へ採用されたものとして取扱うこと等を命じたが、これを不服として会社から再審査の申立てがなされ、中労委は、初審命令で救済対象となった者のうち一部の組合員については不当労働行為に該当しない等としてこの者らに係る初審命令を取り消し、その余の再審査申立てを棄却した。組合は、救済が認められなかった部分の取消しを求め、行政訴訟を提起したが、東京地裁は、請求を棄却した。 
判決主文  1 本件各控訴を棄却する。
2 控訴費用は、控訴人らの負担とする。 
判決の要旨  4911 解散事業における使用者
設立委員は、承継法人の職員の採用手続において、新規に採用する職員の募集を国鉄を通じて行い、その際、国鉄から提出された採用候補者名簿に記載された者の中から採用者を決定する権限を有するにすぎず、自ら採用候補者の選定及び採用候補者名簿の作成の行為をすることができないもので、国鉄が行うこれらの行為を規制し又は指揮監督し得る権限も有しないことからすれば、設立委員は、採用候補者の選定及び採用候補者名簿の作成に関し、労働契約の一方当事者である雇用主とはいえないのみならず、「雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実かつ具体的に支配決定することができる地位」にあったと解することもできないとされた例。

1500 不採用
4911 解散事業における使用者
設立委員は、国鉄の行った採用候補者の選定及び採用候補者名簿の作成に関し、労働組合法第7条の使用者とはいえないから、これらの過程に不当労働行為と目される行為があったとしても、その行為に関する「使用者」としての責任は、現実にその行為を行った国鉄ないしこれを引き継いだ清算事業団が負うべきものであって、設立委員ひいては承継法人がその責任を負うものということはできないし、設立委員が国鉄を指揮監督し得る権限を有しないことからすれば、設立委員が国鉄の採用候補者名簿の作成内容についてそれが公正に行われるよう監督すべき具体的責任があるとはいえないし、国鉄の採用候補者名簿作成が採用基準に合致しているか否かを実質的に審査し、もし合致していない場合は採用基準に合致するよう国鉄に採用候補者名簿の是正を求める権限及び義務を有していたともいえないとされた例。

1500 不採用
4911 解散事業における使用者
6342 不利益取扱いに関する不当労働行為の成否の判断の誤り
改革法の下では、設立委員は、国鉄が作成提出した採用候補者名簿に記載された国鉄職員の中からのみ承継法人の職員として採用すべき者を決定する権限を有しているにすぎず、採用候補者名簿に記載されていない者についてその採否を決定する権限はないから、仮に労働組合法第7条第1号本文前段が労働者の採用の際にも適用されると解したとしても、設立委員ひいては承継法人を使用者とする不当労働行為が成立する余地はないとされた例。

1501 黄犬契約
本件採用基準は、特定の労働組合に加入しないことあるいは脱退することを採用の条件とはしていないことが明らかであるし、国鉄が設立委員の補助機関とはいえないことから、国鉄の設定した名簿不登載基準の当、不当について論じるまでもなく、設立委員の募集行為が黄犬契約ないしこれと同視できるとはいえないとされた例。

6360 取消しの範囲
神奈川事件のX1を除く本件救済対象者らに対するJRらの不当労働行為の成立を否定し、神奈川事件、東京事件、宮城事件、福島事件の各事件の組合らの救済申立てを棄却した本件中労委命令は、結論において正当であるから、その取消しを求める各事件の組合らの請求はいずれも理由がなく、棄却すべきであるとされた例。

6226 救済方法の適法性
組合員X1に対するJR貨物の不当労働行為の成立を認めた神奈川事件の中労委命令は、不当であるが、同人に対するJR貨物の不当労働行為が認められない以上、中労委が同人について命じた救済方法に裁量権の逸脱があるとしてその取消しを求める同事件の組合らの請求は、判断するまでもなく、理由がないことに帰するから、棄却すべきであるとされた例。

業種・規模  鉄道業 
掲載文献   
評釈等情報   

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
神奈川地労委昭和62年(不)第22号 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  昭和63年12月16日 決定 
東京地労委昭和62年(不)第12号 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  平成 1年 8月 1日 決定 
宮城地労委昭和62年(不)第4号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  平成 2年 2月28日 決定 
中労委昭和63年(不再)第69号/他 全部変更(初審命令を全部取消し)  平成 7年10月 4日 判決 
中労委昭和63年(不再)第68号/他 全部変更(初審命令を全部取消し)  平成 7年10月 4日 判決 
中労委平成 1年(不再)第91号 一部変更(初審命令を一部取消し)  平成 8年 1月10日 決定 
中労委平成 2年(不再)第29号 一部変更(初審命令を一部取消し)  平成 8年 3月 6日 決定 
東京高裁平成15年(行コ)第151号 控訴の棄却  平成16年 9月 2日 判決