労働委員会関係裁判例データベース

[判例一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名  由倉(団交拒否等) 
事件番号  東京地裁平成14年(行ウ)第9号 
原告  株式会社由倉 
被告  中央労働委員会 
被告参加人  由倉工業労働組合 
判決年月日  平成15年 6月18日 
判決区分  請求の棄却 
重要度   
事件概要  会社が(1)組合の委員長であるX1の平成8年度夏季一時金の考課査定を低く査定したこと、(2)書記長であるX2の配置転換及び(1)に関する団体交渉を拒否したこと、(3)社報に組合を誹謗中傷する記事を掲載し、従業員の家族らに郵送したこと、(4)組合員に組合からの脱退を強要したことが争われた事件で初審栃木地労委は(4)については申立てを棄却したが、(1)ないし(3)については救済を命じ、中労委は(1)から(3)については初審を維持し、(4)について救済し、その余の申立てについては棄却し、東京地裁は、原告の訴えを棄却した。 
判決主文  1 原告らの請求をいずれも棄却する
2 訴訟費用(参加によって生じた費用を含む。)は原告の負担とする。 
判決の要旨  1202 考課査定による差別
3700 使用者の認識・嫌悪
会社が、組合員X1の夏季一時金の考課査定にあたって、同人の考課を平均的な組合員より低く評価すべき合理的な事情は見出せず、他方で、組合執行委員長である同人を嫌悪していたと認められることに加え、工場長がX1から低査定の理由を質された際の対応も併せ考慮すると、X1に対する本件一時金の考課査定は、同人が組合執行委員長として行った組合活動に対する嫌悪の情に基づいて、その査定を特に低く評価することにより不利益に取り扱ったものといわざるを得ず、労働組合法第7条1号の不当労働行為に当たるとした本件命令は適法であるとされた例。

2249 その他使用者の態度
2301 人事事項
4824 地区労
会社が、組合から委任を受けた地区労の役員が参加することをもって、組合書記長X2の配置転換に関する団体交渉に応じなかったことには正当な理由が認められず、また、組合は、X2の配置転換を団体交渉の議題とする具体的理由を示しているにもかかわらず、会社は本件団体交渉申入れの事項が団体交渉の議題とならないとして応じない態度を示したことが認められるから、会社は正当な理由なく本件団交申入れに応じなかったものといえ、これは組合の態度が団体交渉を妨げる事由であったとは認められず、労働組合法第7条2号の不当労働行為に当たるとした本件命令は適法であるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
社長自らが、社報において、明らかに組合に対する威嚇や反組合的な姿勢を鮮明にした記事は、組合活動を強く批判する内容を含むものであり、社報そのものの性格に加え、本件記事には管理職に相当する者の意見が少なからず含まれていること等からすると、本件記事の掲載等は、社長を中心とした使用者側の意思に基づいて行われたものと容易に推認でき、本件記事の掲載等がなされた時期は、労使間の対立が高まっていた時期であり、また、組合が社長の自宅周辺に労働争議に関するビラを配布していたことも併せ考えると、本件記事の掲載等は、会社が組合を嫌悪し、その弱体化を企図して行ったものと推認され、労働組合法第7条3号の不当労働行為に当たるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
膠着状態にあった平成8年度冬季一時金の査定問題等に関する団体交渉が決裂し、組合員X1から本件ストの通告を受けた直後、同団体交渉に会社側交渉委員として出席していた課長らは、それぞれ部下に対して、組合から脱退するよう強く働きかけた事実が認められ、これら行為がなされた時期及び状況、とりわけ、課長らが会社交渉員として団体交渉に出席していた管理職であったことからすると、会社は、組合が敢行しようとしていた本件ストを嫌悪し、これを実行なからしめるため、管理職をして、その部下の組合員に対し電話をかける等の方法により、組合からの脱退を強く勧奨させたものと推認することができ、この行為は労働組合法第7条第3号の不当労働行為に当たるとされ例。

業種・規模  一般機械器具製造業 
掲載文献   
評釈等情報  中央労働時報 2003年12月10日 1020号 31頁 

[先頭に戻る]

顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
栃木地労委平成 9年(不)第2号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  平成11年 3月24日 決定 
中労委平成11年(不再)第22号 一部変更(初審命令を一部取消し)  平成13年12月 5日 決定 
東京高裁平成15年(行コ)第173号 控訴の棄却  平成15年11月25日 判決 
最高裁平成16年(行ヒ)第57号 上告不受理決定  平成16年 3月26日 決定