労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  南労会 
事件番号  大阪地裁平成14年(行ウ)第116号 
原告  全国金属機械労働組合港合同 
原告  全国金属機械労働組合港合同南労会支部 
被告  大阪府地方労働委員会 
被告参加人  医療法人南労会 
判決年月日  平成15年 7月 9日 
判決区分  棄却 
重要度   
事件概要  本件は、(1)組合副執行委員長に対し、デイケア事業の業務指示をしたこと、(2)この業務指示を拒否したことを理由に、同人を懲戒解雇したこと、(3)診療所の鍼灸治療室を縮小したこと及び(1)から(3)の事項についての団交に不誠実な対応をしたことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
 大阪地労委(平成11年(不)第93号、平成11年(不)第96号、H14・5・28決定)は、(1)組合副執行委員長の懲戒解雇処分がなかったものとしての取扱い、(2)誠実団交応諾、(3)文書手交を命じ、その余の申立てを棄却したところ、これを不服として組合が行政訴訟を提起し、大阪地裁は、組合の請求を棄却した。 
判決主文  1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用(参加によって生じた費用を含む。)は原告らの負担とする。 
判決の要旨  2235 その他組合の態度
本件命令が、X1副委員長が大阪府に赴きデイケア事業について法人らが団体交渉に応じない限り、その担当する業務に従事しないと告げた旨認定したことに対する組合の事実誤認の主張には理由がなく、また、他の点についても、本件命令の判断に影響を及ぼさず、ないしは、組合らの主張を認めるに足る証拠はないとされた例。

2249 その他使用者の態度
2302 労務管理・労使関係
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
業務指示書には、平成3年変更、同7年変更が有効であることを前提とした勤務時間に関する指示も併せて記載されているが、本件業務指示がされた経緯及び記載内容を総合すると、同業務指示は、あくまでもX1副委員長に対してデイケア業務に就くよう命じたものであって、指示書に勤務時間や週休2日制である旨記載されているのは、同3年変更等の結果を再度注意的に記載したものにすぎないから、本件業務指示には一定の合理性があり、団体交渉が誠実に行われなかったからといって直ちに本件業務指示が不当労働行為に該当するものではないとした委員会の判断が誤りであるということはできないとされた例。

1102 業務命令違反
X1委員長は、条件付きであっても、本件業務指示を拒否したものといえ、このことについて正当な理由を示さなかったと委員会が判断したことが誤りであるということはできないとされた例。

5008 その他
デイケア事業を実施するに当たっては、理学療法機能を拡充するため、同1階にある鍼灸治療室を縮小する必要があること、法人においても、鍼灸個室の減少予定数を当初の予定から組合の主張に配慮して縮小していることをも併せ考慮すると、直ちに鍼灸治療室の縮小そのものが法人の不当労働行為意思のもとにされたものとまでみることができず、委員会の判断が誤りであるということはできないとされた例。

0700 職場規律違反
3604 労働者に落度がある場合
X1副委員長が、本件業務指示に対して正当な理由を示さずに拒否したことによりデイケア事業の実施に支障をもたらしたといわざるを得ないのであって、同人の行為は、就業規則に規定する懲戒事由に該当する可能性は否定できず、委員会が何らかの懲戒事由に該当するとした判断に誤りはないとされた例。

0700 職場規律違反
3601 処分の程度
4408 バックペイが認められなかった例
4422 その他
委員会が法人に対し、本件懲戒解雇がなかったものとして取り扱うよう命じながら、バック・ペイの支払までは命じなかったことについて、X1の行為が諭旨解雇事由に該当するとの判断を前提にしていると仮定したとしても、本件懲戒解雇が無効である場合に、改めて諭旨解雇処分をすることが一切許されないとまでは断言できず、X1副委員長の行為は諭旨解雇事由に該当する可能性がある以上、同人に対するバック・ペイについては法人のX1に対する新たな処遇と密接な関わりを有するものであるとして、その支払を命じなかった委員会の判断に裁量権の逸脱を認めることはできないとされた例。

業種・規模  医療業 
掲載文献   
評釈等情報  中央労働時報 2004年2月10日 1022号 46頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪地労委平成11年(不)第93号・第96号 一部救済 平成14年 5月28日
大阪高裁平成15年(行コ)第61号 棄却 平成16年 5月28日
中労委平成14年(不再)第25号・第29号 一部変更 平成21年11月4日
東京地裁平成21年(行ウ)第629号(第1事件)・平成22年(行ウ)第280号(第2事件) 棄却 平成23年12月12日
東京高裁平成24年(行コ)第17号 棄却 平成24年6月28日