労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  東日本旅客鉄道(千葉動労スト処分) 
事件番号  東京地裁平成15年(行ウ)第594号 
原告  国鉄千葉動力車労働組合 
被告  中央労働委員会 
被告参加人  東日本旅客鉄道株式会社 
判決年月日  平成17年 2月28日 
判決区分  請求の棄却 
重要度   
事件概要  本件は、原告組合が会社に予告した時間を繰り上げてストライキを実施したことに対し、会社が、同ストライキは違法であるとして、(1)社長談話の発表、新聞広告記事等の広報を行ったこと、(2)組合役員らの会社施設等への入構を妨害したこと、(3)スト参加組合員の勤務取扱いを「争議」としなかったこと、(4)組合役員、スト参加組合員に対し、出勤停止、減給等の処分を行ったことが不当労働行為であるとして、申し立てがあった事件で、初審千葉県労委は、会社に対し、組合役員の入構拒否、スト参加組合員の勤務取扱い及び組合役員等に対す 
判決主文  1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は、参加によって生じた費用を含め、原告の負担とする。 
判決の要旨  3020 組合活動への制約
原則として使用者は自らが所有し管理する施設を自由に管理者として使用、管理することができるが、かかる施設管理権も、組合活動との関係では一定の制限があると解するのが相当であり、組合らが使用者の施設を利用して組合活動を行おうとするとき、その使用を許さないことが権利の濫用と認めるに足りるような特段の事情が認められるときには使用者の行為は違法ということになるが、参加人の本件入構拒否等の措置は、権利の濫用と認めるに足りる特段の事情は存在せず、本件予定スト時及びその準備行為時における職場の環境を適正良好に保持し、業務遂行の継続を図るために必要かつ相当な措置であり、本件入構拒否等の措置が不当労働行為に当たらないとした被告の判断が相当とされた例。

0410 目的・手続き
0413 ストライキ(含部分・指名スト)
原告が本件予定ストを繰り上げて実施したのは、参加人会社が、本件予定ストに対処するため、本件入構拒否等の措置をとったことに抗議するためのものであったと認められるが、会社の本件入構拒否等の措置は、使用者として本件予定スト時における業務遂行を継続するために必要かつ相当な措置であり、正当なものであるから、会社の正当な措置に抗議して行われた本件繰上ストの目的は正当性を欠いていること、本件予定ストを12時間も繰り上げて実施し、それは明確な繰上通知をした5分後であり、本件繰上ストの実施により、列車ダイヤに大混乱が生じたこと等から、その手続、態様においても正当性を欠いていることから、本件繰上ストは、違法な争議行為であるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
社長談話、新聞記事並びに広告記事における本件広報は、いずれも本件繰上ストが違法であることを前提に、参加人ないし総務部長の見解、利用者への謝罪の意思を明らかにしたものであるところ、本件繰上ストの事実経過に関する部分は基本的に誤りはなく、本件繰上ストが違法であるという認識も不当とはいえないのであるから、本件広報が、原告ないし原告組合員に対する不当労働行為に当たらないとした被告の判断は正当であるとされた例。

0421 幹部責任
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
本件繰上ストは違法であるから、当該ストに参加した100名の原告組合員について行った本件勤務取扱いは当然の措置であり、当該措置が本件繰上ストないしその準備行為に藉口して原告組合員に対する不利益取扱いないし原告の運営に対する支配介入をするために行われたということはできず、本件勤務取扱いについての原告の請求は理由がないとされた例。

0421 幹部責任
0700 職場規律違反
本件処分の処分理由は、本件繰上ストに係る組合役員の指導責任・組合員の参加、12月本件処分の処分理由は、本件繰上ストに係る組合役員の指導責任・組合員の参加、12月スト、1月スト、本件ストの際の代替乗務員等に対する嫌がらせ言動・滞留、本件繰上ストの際に運転室を離れるとき等の取扱い不良に分類することができるところ、(1)本件繰上ストは違法であるから、これを指導した組合役員は、その果たした役割に従い相応の処分を受け、これに参加した組合員も職務を放棄したとして相応の処分を免れないこと、(2)本件スト時の代替乗務員に対する嫌がらせ言動は、いずれも言論による説得の域を超えており、会社の業務執行の継続を妨害するものとして処分を免れないこと等から、本件処分にはいずれも処分事由が認められ、処分内容も相当な範囲内で課されたものといえ、会社が3回のストないしその準備行為に籍口して組合員に対する不利益取扱いないし組合の運営に対する支配介入をするため行われたと認めることは困難であるから、本件処分を不当労働行為に当たらないとした被告の判断が相当とされた例。

業種・規模  鉄道業 
掲載文献   
評釈等情報   

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
千葉地労委平成 2年(不)第3号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  平成 8年 4月16日 決定 
中労委平成 8年(不再)第10号/他 全部変更(初審命令を全部取消し)  平成15年 7月16日 決定 
中労委平成 8年(不再)第8号/他 全部変更(初審命令を全部取消し)  平成15年 7月16日 決定 
東京高裁平成17年(行コ)第94号 控訴の棄却  平成18年 5月30日 判決 
 
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