労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  園田陸運 
事件番号  鹿児島地裁平成15年(行ウ)第4号 
鹿児島地裁平成15年(行ウ)第3号 
原告  園田陸運株式会社(15年第3号) 
原告  園田陸運グループ労働組合(15年第4号) 
被告  鹿児島県労働委員会 
判決年月日  平成17年 3月30日 
判決区分  請求の棄却 
重要度   
事件概要  会社が、合理化計画の実施やあっせん案に基づく長距離業務の実施等において、組合員であること又は組合活動を理由とする組合員差別をしたことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
 鹿児島県労委は、(1)あっせん案にある「具体的な配車のあり方」について協議し、会社の命令書受領から2か月以内の合意を目指すこと、(2)あっせん案により努力することとされた賃金30万円と実際に支払われた給与の差額の3割の支払いを命じ、その余の申立てを棄却したが、組合及び会社がこれを不服として行政訴訟を提起した。
 鹿児島地裁は 
判決主文  1 平成15年(行ウ)3号事件について
 (1)原告の請求を棄却する。
 (2)訴訟費用は原告の負担とする。
2 平成15年(行ウ)4号事件について
 (1)原告の請求を棄却する。
 (2)訴訟費用は原告の負担とする。 
判決の要旨  4838 申立ての承継
申立人が死亡又は消滅した場合でない限り申立手続の承継を認めないとした場合、申立手続き上の不経済や、救済命令申立ての期間制限(労組法27条2項)との関係で、不当労働行為に対する救済を受けることが困難な事態を招くおそれがあり、このような状況は労組法の意図するところではないものと解され、そうであれば、不当労働行為救済命令申立手続の承継を認めることに合理性がある場合、労働委員会において当該手続の承継を認めることが労組法上禁じられているものではないというべきであり、A組合は適法に不当労働行為救済命令の申立てをしたこと、救済内容も専ら同組合個人に関するものであったこと、B組合は申立手続の途中にA組合から脱退した分会の組合員全員が組織したものであって、A組合もB組合が申立手続を承継することに同意していたことが認められ、B組合がA組合の申立人としての地位を承継することに合理的理由があることは明らかであり適法とされた例。

3608 動機の競合
1302 就業上の差別
本件あっせんの趣旨は、平成10年8月1日から本件あっせんが成立するまでの食事代はこれを支給しないものとして確定させ、本件あっせん成立以降に食事代を支給するかどうかは、労使の協議の結果に委ねるというものであったと解されるが、しかしながら、あっせんの合意の文言上、本件あっせんの趣旨が必ずしも明らかではないことからすれば、同訴訟を提起したことの故をもって組合員を長距離輸送業務に従事させずに賃金額を減少させるとの扱いをすることまでは許されず、そのような取扱いは、労組法7条1号の不当労働行為に該当するとされた例。

3608 動機の競合
1302 就業上の差別
会社は、平成11年8月下旬ころ、食事代訴訟を提起した分会の組合員は長距離輸送業務に従事させないとの方針を明示したことが明らかであり、このような措置は、その時点では長距離輸送業務への従事を希望していなかった分会組合員に対する関係でも、労組法7条1号にいう不利益な取扱いに当たるというべきであって、また、初審において会社代表者などが食事代訴訟の不当性について縷々述べたことからすれば、会社が食事代訴訟を敵視していたことを推認できるから、会社が分会組合員に対して代行による長距離輸送業務を割り当てなくなったことは、不当労働行為意思に基づくものであるとされた例。

6140 訴の利益
「組合は「告示」について理解する」との条項(本件条項)は、組合が長距離輸送業務の移管に同意し、もって、同移管にかかる不当労働行為についての救済利益が失われるとの趣旨であると解するのが相当であって、労組法7条は不当労働行為として禁止される行為を列挙するにすぎず、不当労働行為の対象となった労働組合ないしその組合員が当該不当労働行為についての救済利益を放棄することまで禁ずる趣旨と解することはできないし、本件あっせん条項に上記の内容の条項が含まれていることからすれば、本件条項が公序良俗に反するものでないことは明らかであり、また労組法上、和解については明文がないが、これは決して不当労働行為が問題となる事件についての和解を禁ずる趣旨ではなく、和解による解決が適切な労使関係形成のために望ましいことから、和解による解決について手続き上の制約を設けず、いかなる段階でも和解による解決を可能としたものと解され、このような不当労働行為救済制度の趣旨からすれば、労働関係調整法上のあっせんにおいて不当労働行為を問題としない旨合意することが制約されるものでないことは明らかであり、よって本件あっせんは有効であるとされた例。

4407 バックペイの支払い方法
6226 救済方法の適法性
鹿児島県労委が月額30万円と各月に既に支給された給与額との差額の支払いを3割にとどめたことは、組合が全員協議の上で食事代訴訟を提起したことを主な理由とするものであるが、同訴訟の提起があっせん合意の趣旨に反するものであって、この点に関する同労委の判断に裁量の逸脱があるとは認められず、また差額支払の対象期間を平成11年9月1日から会社が本命令書写しを受領するまでと定めたことについても、会社が食事代訴訟を提起した者を長距離輸送業務に従事させないとの方針を明らかにしたのが平成11年8月下旬ころであることや、会社が本命令書写しを受領した日以降は労使の話し合いによる解決も期待し得ることからすれば、十分な合理性が認められ、この点に関しても同労委の判断に裁量の逸脱があると認められないとされた例。

業種・規模  道路貨物運送業 
掲載文献   
評釈等情報   

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