労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名 京都市
事件番号 京都地裁平成17年(行ウ)第19号
原告 個人X
被告 京都府(代表者兼処分行政庁 京都府労働委員会)
参加人 京都市
判決年月日 平成18年9月5日
判決区分 棄却
重要度  
事件概要 本件は、申立人Xが、京都市交通局に勤務し、組合の組合員及び支部長であったところ、その意に反して庶務係長への昇任(本件異動)を命じられ、その結果、組合員及び支部長の資格を失ったため、本件異動は不当労働行為であるとして争われた事件である。
 京都地労委は、当初事件(平成11年(不)6号、平成12年7月4日決定)で、同人の労組法第7条第3号(支配介入)に係る救済申立てを却下したが、最高裁(平成15年(行ヒ)109号、平成16年7月12日判決)は、使用者が労組法第7条第3号の不当労働行為を行ったことを理由として救済申立てをするについては、労働組合のほか、その組合員も申立適格を有するとして、同部分を取り消した。
 京都府労委は、同判決に従い、Xの労組法第7条第3号(支配介入)に係る救済申立てについて、審査を再開し、同部分に係る救済申立てを棄却した(平成16年(不)2号、平成17年7月29日決定)。
 Xは、これを不服として、行政訴訟を提起したところ、京都地裁は、Xの請求を棄却した。
判決主文 原告の請求を棄却する。
判決の要旨 ① 本件異動の組合活動に対する影響についてみると、①確かに、Xは、同人が所属する組合及び組合の反主流派の集まりであるA会において一定の発言力を有していたといえるが、同人の組合及びA会における発言力は、組合活動家としてというよりも、むしろ、組合運動外の部落解放運動やその人柄によるものであると考えられること、②本件異動当時、交通局と組合とは敵対的な関係が続いているような状況ではなかったし、新たな経営計画を実施するために、A会を含めて組合を弱体化させる必要があったとはいえないこと、③本件異動によりXが支部長を退任した後、同支部には後任の支部長が選出されており、後任支部長はA会の会員であったから、本件異動によって組合の運営に支障は生じず、A会の組合内における勢力にも影響はなく、A会も、交通局の新たな経営計画に反対するなど自主的かつ積極的な活動を継続していること、④Xの発言力は、組合活動外の部落解放運動やその人柄によるものであると考えられ、組合員の資格を失っても、部落解放運動が制限されるものではないことからも、本件異動がその発言力等に影響するとは思われず、現に、Xは、本件異動により組合員資格を喪失した後も、A会の会員の相談を受けて問題に対処する等していることから、本件異動について、組合活動に対する影響が大きいものであったということはできないとされた例。
② 本件異動の業務上の必要性についてみると、本件異動は、①Xの明確な反対の意思に反して行われたこと、②それによりXが組合支部長を退任せざるをえなくなったこと、③試験採用者等を除いた職員で、Xのように係員から主任を経ずに係長になった者が少数であったことに照らすと、異例の人事異動であったといえるものの、①交通局長は、職員任用規則に従い、その昇任の選考基準に則って本件異動の発令をしたのであり、本件異動はXの対人折衝能力が評価されたものであったが、異動後の庶務係長の業務は、営業所全体の労務管理、財産管理、苦情対応等運営全般にわたっていて相当の能力を要する業務であったこと、②交通局が組織活性化のために現業職員を事務系の業務の管理職に積極的に登用するとの方針を採用していたこと、③Xと同時期に交通局に入局した者のうち約半数が、本件異動と同時期あるいはそれより前に係長級に昇任していたこと、④本件異動当時、Xを排除して組合を弱体化する必要があったとはいえないことに照らすと、本件異動に業務上の必要性がなかったとはいえないとされた例。
③ 以上①及び②からすると、本件異動について、支配介入と評価することはできないとされた例。

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
京都府労委平成16年(不)第2号 棄却 平成17年7月29日
大阪高裁平成18年(行コ)第101号 棄却 平成19年1月25日
最高裁平成19年(行ヒ)129号 上告不受理 平成19年9月20日
 
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