労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名 東日本旅客鉄道(千葉動労褒賞金)
事件番号 東京地裁平成17年(行ウ)第455号(甲事件)
東京地裁平成18年(行ウ)第18号(乙事件)
甲事件原告兼乙事件被告補助参加人 東日本旅客鉄道株式会社
乙事件原告兼甲事件被告補助参加人 国鉄千葉動力車労働組合
被告 国(裁決行政庁 中央労働委員会)
判決年月日 平成18年9月27日
判決区分 一部取消、棄却
重要度  
事件概要  本件は、組合が4回にわたって実施したストライキに際して、会社が、ストライキ実施日及びその前後の日に臨時の勤務に従事した社員に3,000円又は5,000円の報奨金を支給したことが不当労働行為であるとして、申立てがあった事件である。初審千葉地労委は、会社に対し、①ストライキに参加した組合員に参加日数に3,000円を乗じた金員の支払、②今後の争議に際して争議不参加者に金員を支給するなどの支配介入の禁止を命じ、その余の申立ては棄却し、中労委は、組合員に金員の支払を命じた部分を取り消し、支配介入の禁止を命じた部分を一部変更し、その余の再審査申立てを棄却した。会社及び組合は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、中労委命令で支配介入の禁止を命じた部分を取り消し、組合の請求を棄却した。
判決主文 1.中労委平成5年(不再)第22号事件につき、裁決行政庁が平成17年9月7日付けでした不当労働行為救済命令のの主文のうち、初審命令主文第1項を取り消す旨命じた主文Ⅰ項前段部分を除き、これを取り消す。
2.乙事件原告の請求を棄却する。
3.訴訟費用は、全事件を通じ、乙事件原告兼甲事件被告補助参加人に生じた費用(補助参加により生じた費用を含む。)と甲及び乙事件被告に生じた費用の2分の1と甲事件原告兼乙事件参加人に生じた費用のうち参加により生じたものを乙事件原告兼甲事件被告補助参加人の負担とし、甲事件原告兼乙事件参加人に生じたその余の費用と甲及び乙事件被告に生じたその余の費用を、甲事件及び乙事件被告の負担とする。
判決の要旨 ① 本件褒賞金(ストライキの当日及びその前後の日に臨時の勤務に従事した社員に対し支給した褒賞金)の支給が労組法7条1号所定の不利益取扱いに当たるかについては、確かに、組合の組合員のうち、本件ストライキに参加した者については、その参加日につき本件褒賞金は支給されていないが、本件褒賞金の支給対象者は、本件人事部長の通達の基準により選定され、その結果、選定された支給対象者には組合の組合員も29名含まれており、他方で、組合に所属せず、かつ、本件対象期間中に勤務に従事した社員であっても、臨時の勤務には従事していない社員には、本件褒賞金は支給されていないことから、本件ストライキに参加した組合の組合員に本件褒賞金が支給されなかったのは、右通達の基準に合致しなかったためであって、組合の組合活動を理由とするものとはいえないから、本件褒賞金の支給は労組法7条1項の不利益取扱いに当たらないとされた例。

② 本件褒賞金の支給対象者が組合の本件ストライキの参加・不参加を基準として決せられているわけではないものの、会社が同ストライキを意識して本件褒賞金支給を実施したことは明らかであるが、本件褒賞金の支給対象とされた本件臨時勤務に従事した社員に通常時における勤務とは同視し得ない労苦が生じたことは否定できず、会社がこのような労苦に報いることとして、相応な表彰を行うことに正当な理由があるというべきであるところ、本件褒賞金の金額は、多額とはいい難く、その支給対象者も合理的な限定条件が加えられ、さらに、本件褒賞金支給により、組合のストライキ実施に対する何らかの悪影響が生じたことを窺わせる事情も見当たらないのであって、  これが別組合への優遇措置に当たるとまでいうことはできないことから、本件褒賞金の支給が、組合のストライキ権の行使の効果を減殺するもので、支配介入に当たるとまでいうことはできず、会社・組合間の紛争の存在や組合が本件ストライキを頻繁に実施していたといった事情を考慮したとしても、本件褒賞金の支給が労組法7条3号の支配介入に当たるとはいえないとされた例。

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
千葉地労委平成2年(不)第7号 一部救済 平成5年3月29日
中労委平成5年(不再)第22号 一部変更 平成17年9月7日
東京高裁平成18年(行コ)第283号 一部取消 平成19年5月17日
最高裁平成19(行ヒ)248号 上告不受理 平成19年11月15日
 
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