労働委員会関係裁判例データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[判例一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名 東日本旅客鉄道(豊田電車区)
事件番号 東京地裁平成18(行ク)第50号
申立人 中央労働委員会
被申立人 東日本旅客鉄道株式会社
判決年月日 平成18年10月23日
判決区分 緊急命令申立ての却下
重要度  
事件概要  本件は、会社が、国労臨時大会の会場付近で公務執行妨害罪の疑いで逮捕拘留された組合員Xに対し、釈放後、①同人を日勤勤務とし、約3ヶ月にわたり除草作業を命じたこと、②その後更にリネン業務と電車の乗務等混在する勤務に就かせたこと、③支社企画課長が同人の組合活動を批判する言動をしたことが不当労働行為であるとして、申立てがあった事件である。初審東京地労委は、会社に対し、①一定期日以降の日勤勤務指定についてはなかったものとして取り扱い、従前の運転士業務へ復帰させること、②従前の運転士業務に復帰させるまでの間の乗務員手当等のバックペイ、③支社企画課長をして申立人の組合活動に対し介入する言動をしてはならないことを命じ、その余の申立ては棄却したところ、これを不服として会社及び申立人個人Xから再審査の申立てがなされ、中労委は、再審査申立てを棄却した。会社はこれを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、中労委の命令を取り消した。
 中労委は、本件に係る緊急命令申立てをしたところ、同地裁は、当委員会の緊急命令申立てについて、却下の決定を行った。
判決主文 本件申立てを却下する。
決定の要旨 ① 会社が、運転士Xに対し、平成12年10月1日以降、豊田電車区の施設内の除草作業及びリネン業務を命じたことが不当労働行為(不利益取扱い)に該当するとして、本件命令が発せられたところ、①会社はXの組合活動について特段注視し嫌悪していたと認めることはできないこと、②Xの除草作業及びリネン業務についても特段の不合理性は認められないこと、③Xを日勤に指定するに当たっての意思は業務に多大な支障を及ぼした事実とそのような事態に至ったことに対する反省を促すことにあったことから、会社の同行為については、Xが国労の組合員であること又は組合の正当な行為をしたことの故をもってされた行為ではないと認める余地が十分にあり、これが労組法7条1号に該当するという本件命令の適法性には重大な疑義があること、また、豊田電車区においては、平成18年2月1日からリネン業務を外部委託し、同日以降、会社従業員をしてリネン業務に従事させる必要がなくなっており、同日以降、Xに対する勤務指定もすべて電車乗務を前提としたものとなっていることから、現時点において、会社の同行為については、緊急命令を発する必要性がなくなっているとされた例。

② 会社が、Y課長をしてXの国労の組合員としての活動を批判する言動をさせたことが不当労働行為(支配介入)に該当するとして、本件命令が発せられたところ、Y課長のXに対する発言は、Xの組合活動を問題にする趣旨ではなく、Xが 逮捕拘留されたことによって結果的に職場に迷惑をかけたことに対する反省を促す趣旨のものであったと認める余地が十分にあることから、会社がXの組合活動を支配しこれに介入する意思に基づくものではないと認める余地が十分にあり、これが労組法7条3号に該当するという本件命令の適法性には重大な疑義があること、また、Y課長は、平成16年6月に会社横浜支社に転出しており、Xと接触する蓋然性はほとんどないことが認められることから、現時点において、会社の同行為については、緊急命令を発する必要性はなくなっているとされた例。

[先頭に戻る]

顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
東京都労委平成12年(不)第95号 一部救済 平成14年8月27日
中労委平成14年(不再)第47・48号 棄却 平成17年10月19日
東京地裁平成17年(行ウ)第589号 全部取消 平成18年10月23日
東京高裁平成18年(行コ)第296号 全部取消 平成19年6月18日
最高裁平成19年(行ヒ)第272号 上告不受理 平成20年10月31日
 
[全文情報] この事件の全文情報は約101KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。