労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名 西日本旅客鉄道(西労団交等)
事件番号 東京地裁平成17(行ウ)555号
原告 西日本旅客鉄道株式会社
被告 国(処分行政庁 中央労働委員会)
被告補助参加人 ジェーアール西日本労働組合
ジェーアール西日本労働組合福岡地方本部
判決年月日 平成18年10月26日
判決区分 棄却
重要度  
事件概要 本件は、会社が、①新幹線運転士を車掌に運用する在勤発令に当たり、組合との団体交渉に誠実に応じなかったこと、②当該発令に係る人選において組合間差別を行ったこと、③昇格試験及び指導員担務指定において組合間差別を行ったことが不当労働行為であるとして、申立てがあった事件である。初審福岡地労委は、会社に対し、誠実団交応諾、誓約書の手交を命じ、中労委は、初審命令主文の一部を変更し、その余の再審査申立てを棄却した。会社は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、会社の請求を棄却した。
判決主文 1.原告の請求を棄却する。
2.訴訟費用(補助参加費用を含む。)は原告の負担とする。
判決の要旨 ① 組合地本が申し入れた団体交渉の内容は、6か月ローテーション(運転所の全運転士に対し、順番に車掌所への在勤を発令し、概ね6か月後に在勤を免ずる発令を行う運用)廃止の根拠や在勤発令の人選基準等の具体的内容の明示、在勤発令の撤回、6か月ローテーションの復活等を要求するものであるから、労働者の労働条件に関する事項として、いずれも義務的団体交渉事項に該当する事項に関するものであることは明らかであるところ、会社支社は、事前交渉の中で説明し議論を尽くしたとして、その旨を記載した文書を交付し、あるいは、その旨を口頭で説明しただけであり、団体交渉申入れの結果、会社支社と組合地本との間で協議がされているが、協議といっても右説明を行ったものであり、労働協約の規定に従った正式の団体交渉が行われたものではないから、会社は、組合地本の各申入れに対して団体交渉開催を拒否したといわざるを得ないとされた例。
② 事前交渉において、会社は、6か月ローテーションの運用を改める理由につき、車掌業務を行う者を業務に専念させ、より一層のサービス向上を図るために必要と考えられたと説明し、在勤期間につき、車掌の養成やダイヤ改正等により要員需要が好転するまでの当分の間と説明されていたものの、組合地本の立場からすれば、6か月ローテーション廃止の理由について、正式な団体交渉の場で改めて確認するとともに、従前の運用において具体的な不都合が発生していたのか、また、今後の在勤期間について、どの程度となる可能性が高いと考えているのかといった事前交渉では説明されなかった点について確認し、在勤発令の方法につき他の手段がないか議論を尽くす必要があると考えることは十分に理解できるところであるが、事前交渉においては、これらのことが議論の対象とされ、説明されたと認めることはできず、必要な議論が十分に尽くされ、説明されるべき事項がすべて説明された結果、会社と組合の主張が対立し、いずれかの譲歩により交渉が進展する見込みがなくなっていたということはできないから、本件団体交渉の申入れがされた時点で、団体交渉を拒否することができる正当な理由があったとはいえないとされた例。
③ 組合らは、在勤発令に反対の姿勢を有しており、在勤発令の実施につき重大な支障が生じると考えていたのであるから、実際に在勤発令の事前通知を受け、その撤回を求める手段として、団体交渉開催の申入れと並行して斡旋申請や調停申請をすることも事柄の性質上、やむを得ないというべきであり、組合らが斡旋申請や調停申請をしたことをもって、交渉が完全に決裂し、交渉を続ける状況は全くなかったということはできないとされた例。
④ ②及び③によれば、会社が、事前交渉において、相当の時間をかけ説明をしていたことを考慮しても、なお、会社が本件団交事項につき、一度も正式な団体交渉を開催しなかったことは労組法7条2号の不当労働行為になるとされた例。
⑤ 不当労働行為の救済方法として組合らに対する誓約書の交付を命じた本件命令に救済方法についての裁量の逸脱があるとは認められないとされた例。

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
福岡地労委平成6年(不)第6号 一部救済 平成9年6月2日
中労委平成9年(不再)第22号及び同第24号 一部変更 平成17年10月5日
東京高裁平成18年(行コ)第311号 棄却 平成19年3月29日
最高裁平成19(行ツ)191号
最高裁平成19(行ヒ)203号
上告棄却・上告不受理 平成19年7月17日
 
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