労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名 高宮学園
事件番号 東京地裁平成18年(行ウ)第204号
原告 学校法人高宮学園
被告 国(処分行政庁 中央労働委員会)
被告補助参加人 労働組合東京ユニオン
判決年月日 平成19年2月15日
判決区分 棄却
重要度  
事件概要  本件は、学園が、①支部の組合員Xに対して行った自宅待機命令に関し、組合らが申し入れた団体交渉に応じなかったこと、②その後、組合らからの「組合員に対する懲戒処分や転居を伴う配置転換等の重大な労働条件の変更については、今後は事前に組合との団体交渉を行うことを文書で確約すること」との要求を拒否したことが不当労働行為であるとして申立てがあった事件である。
 初審東京都労委は、学園に対し、①Xほか組合員の解雇や懲戒処分等に関する団体交渉拒否の禁止及び誠実団交応諾、②文書手交及び履行報告を命じ、中労委は、初審命令のうち誠実団交応諾を命じた部分を取り消し、その余の再審査申立てを棄却した。学園は、これを不服として、東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、学園の請求を棄却した。
判決主文 1.原告の請求を棄却する。
2.訴訟費用(補助参加費用を含む。)は原告の負担とする。
判決の要旨 (争点)
  平成15年9月4日に開催された団体交渉が、組合が求めたXの自宅待機命令等を議題とする団体交渉といえるかどうか。いえないとしたら、団体交渉を拒否したことに正当な理由があるかどうか。
(理由)
① Y学園の就業規則によれば、自宅待機命令は、職員が懲戒事由に該当する行為をしたときに、事情調査や懲戒該当行為再発防止のために行われるものとされているのであって、これが労働者に対して就労を禁止する不利益な処分であることは明らかであるから、職員の自宅待機命令に係る事実関係の確認を求めることは、労働者の処遇に直接的に関連する事項として、義務的団交事項に該当するとされた例。
② Y学園は、平成15年9月4日に団体交渉が開催されており、本件組合員Xの自宅待機命令に関する団体交渉に応じなかったとはいえないと主張するが、懲戒処分が下される前に懲戒処分に該当する行為があるとして行われた自宅待機命令に対して事実確認や妥当性の協議を求めて行う団体交渉と、懲戒処分として解雇が行われた後にその撤回を求めるべく行う団体交渉とでは、交渉の方法や内容、懲戒処分の対象となる職員に対する不利益の程度といった点で大きく異なるものであるから、9月4日の団体交渉時において、Y学園がXの解雇事由について説明したからといって、Xの自宅待機命令の事実確認等を求めた本件団体交渉を開催したとは認められないとされた例。
③ Y学園の本部長が平成15年7月16日付けの交渉申入書に対して、Xの件は業務上(又は個人的な問題)である旨を発言しており、同人はXの懲戒処分の発令前に、その前提となる事実関係を確認することは団体交渉事項ではないと考えていたと認められることから、Y学園が、Xの自宅待機命令問題について、正式な団体交渉を開催する意思をおよそ有していなかったことは明らかであり、同年7月23日に行われた組合への説明が、この問題についての団体交渉と同視しうる程度のものとは認められず、Y学園が本件団体交渉を開催しなかったことに正当な理由はないとされた例。
④ 以上のことから、Y学園が本件Xの自宅待機命令等を議題とする団体交渉を開催しなかったことは労働組合法七条二号の不当労働行為に該当するというべきであるから、本件命令に誤りはないとされた例。

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
東京都労委平成15年(不)第101号   一部救済 平成17年1月18日
中労委平成17年(不再)第6号 一部変更 平成18年3月15日
 
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