労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名 アサヒ急配ほか1者
事件番号 大阪地裁平成18年(行ウ)第1号
原告 アサヒ急配株式会社
被告 大阪府(代表者・処分をした行政庁 大阪府労働委員会)
被告補助参加人 全国一般労働組合大阪地方本部アサヒ急配労働組合
判決年月日 平成19年4月25日
判決区分 棄却
重要度  
事件概要  組合が団体交渉を申し入れたところ、会社が、①会社と運送委託契約を締結した者は個人事業主であり労働者ではないとの理由で団体交渉を拒否したこと、②運送委託契約者に組合からの脱退や組合への非加入を促したこと、③委託契約者である組合員3名(X1、X2及びX3)に対する運送委託契約解除及びうち、2名(X1及びX3)に対する解除予告通知後の意図的な仕事量の減少をしたこと、④正社員である組合員に対する大幅な賃金減額及び社宅退去等の職務命令等を発したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、大阪府労委は、会社に対し、①運送委託契約者である組合員の団交出席や運送委託契約者に関する議題の誠実団交応諾、②組合への加入妨害や脱退勧奨等の行為の禁止、③組合員X1、X2及びX3の運送委託契約解除がなかったものとしての取扱い及びバックペイ、④組合員X4に対する職務命令がなかったものとしての取扱い及びバックペイ、⑤文書手交を命じ、会社弁護士に対する申立ては同人が労組法上の使用者ではないとして却下した。会社が、これを不服として大阪地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、請求を棄却した。
判決主文 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は、補助参加によって生じた費用を含め、原告の負担とする。
判決の要旨 争点1(委託契約者が労働組合法上の労働者に当たるか否かについて)
① 委託契約の業務遂行状況、委託契約者に対する労務管理、報酬の性格、委託契約者の事業性の有無、委託契約者の専属性の有無、委託契約者に対する服務管理に加え、会社の業務形態、委託契約の採用に関する経緯を併せ考えると、委託契約者は、会社の指揮監督下で労務を提供し、その対償として賃金を受けていたと認められ、会社と委託契約者は使用従属関係にあったと認められることから、委託契約者は会社との関係において、労働組合法の労働者に当たるとされた例。
争点2(会社の対応が団体交渉拒否、不誠実団交に当たるか否かについて)
② 会社が委託契約者は労働者ではなく、労働組合の組合員になることはできない等として、委託契約者に関する事項について交渉することを拒否したことは、正当な理由がなく、また、他組合員の労働条件に対する議題に対しても誠実に交渉しなかったというべきであり、これらいずれの行為も労働組合法7条2号の不当労働行為に当たるとされた例。
争点3(会社の社長及び弁護士の集会時での発言及びX2に対する面談時の不当労働行為性)
③ 会社の弁護士が委託契約者の集会において、「委託契約者は組合員とは認めない。組合に入った委託契約者には解除通知を送った。これらの者とは、組合を辞めたら、話合いの上で再契約をしてもよい。」等の発言、また、会社社長によるX1との面談時の「組合を抜けたら20万円ほど準備する」等の各発言は、組合の弱体化を図り、組合の運営に支配介入したものと認められ、労働組合法7条3号の不当労働行為に当たるとされた例。
争点4の1(運送契約の終了通知の不当労働行為性)
④ 会社がX1、X2、X3に対して運送契約の終了通知を発したことについては、X1らは会社との関係で労働基準法上の労働者と認められ、同人らの労務提供は、その内容に照らし、常用性を有するものであるから、本件の終了通知の効力を判断するに当たっては、解雇に関する法理が類推適用されるところ、雇用契約の終了につき客観的に合理的な理由はなく、解雇権の濫用に当たり無効であるとともに、それを発した理由から労働組合法7条1号及び3号の不当労働行為に当たるとされた例。
争点4の2(X1、X3に対する業務内容の変更等の不当労働行為性)
⑤ 会社が、X1、X3に対する業務内容の変更及び賃金の減額は、両名が組合を結成して、これに加入したことを理由に、不利益取扱いをしたものと認められ、労働組合法七条一号の不当労働行為に当たり、また、組合に加入した場合にはこのような不利益取扱いをすることを他の従業員に示して、組合への加入を妨害し、脱退を促すことで、組合の弱体化を図り、組合の運営に支配介入したものと認められ労働組合法七条三号の不当労働行為に当たるとされた例。
争点5(X4に対する職務命令、業務量の減少等の不当労働行為性)
⑥ 会社がX4に対して、会社の管理職の勧めにより居住するようになった会社支店敷地内の居住建物の明け渡しを命じたこと、同人の業務量を減じ、賃金を減額したことは、X4が組合に加入したことを理由に行ったものと認められ、このような行為は、右記⑤同様の理由で、労働組合法七条一号及び三号の不当労働行為に当たるとされた例。

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪府労委平成15年(不)第70号・平成16年(不)第29号   一部救済 平成17年12月7日
 
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