労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名 住友重機械工業(団体交渉)
事件番号 東京地裁平成17年(行ウ)625号
原告 住友重機械工業株式会社
被告 東京都(代表者兼処分行政庁 東京都労働委員会)
被告補助参加人 全日本金属情報機器労働組合
全日本金属情報機器労働組合東京地方本部
全日本金属情報機器労働組合東京地方本部住友重機械支部
判決年月日 平成19年8月30日
判決区分 全部取消
重要度  
事件概要  会社が、①平成14年度及び同15年度の賃金削減並びに事業実施地の移転を議題とする団体交渉を拒否し、又は不誠実な対応を行ったこと、②回答文書のあて先を組合支部とし、組合本部名、地方本部名を記載しないことにより本部と支部との分断を図ったことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
 東京都労委は、上記②については不当労働行為に該当するとして、会社に対し、文書交付及びその履行報告を命じ、その余の申立てを棄却した。会社は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したところ、同地裁は、東京都労委の命令を取り消すとの判決を言い渡した。
判決主文 1 東京都労働委員会が、平成15年不6号事件について、平成17年11月15日付けでした命令のうち、主文1項及び2項を取り消す。
2 訴訟費用は、参加により生じた部分を参加人らの負担とし、その余を被告の負担とする。
判決の要旨 争点1(東京都労委命令に申立主義に違反した違法があるかについて)
① 東京都労委は、会社が本件回答文書以外の文書においても組合本部らを記載しない対応を繰り返し行っている事実等から、組合本部らを排除する意図が認められるとして、本件回答書による対応が支配介入に該当し、不当労働行為であると認定したものであって、本件回答以外の対応を不当労働行為と認定したのでないことは明らかであり、東京都労委命令における救済命令の内容は、組合らの申立のとおり、会社が文書の宛先から組合本部らを除外することにより組合らの運営に対する支配介入を行わないこと(不作為)を求めるものであったこと等を前提として、回答の宛先に組合本部らを記載しなかったことが不当労働行為であると認定された旨記載した文書の交付を命じたものであり、この内容も、本件回答以外の対応を不当労働行為としたものではなく、東京都労委命令主文1項が申し立てていない事実について救済命令を発したものとは認められないとされた例。
争点2(本件回答書の宛先を組合支部のみとしたことが、組合らに対する支配介入に当たるか)
② 組合本部らも参加する団体交渉が継続して行われ、会社は11月6日の団体交渉において、組合ら三者連盟の本件要求書に対する回答を、口頭で行ったが、組合らが文書回答を求めるので、11月27日の団体交渉において本件要求書を交付したものであり、同日の団体交渉の場で、組合本部らを含め、その場で内容の確認を行っており、本件回答の内容の伝達という面においては、宛先に記載されていた組合支部と、記載がない組合本部らとの間で全く差違がなく、組合本部らが組合支部と分断され、弱体化するような可能性は皆無であり、会社は11月27日以降も組合本部らが団体交渉参加拒否をした事実がなかったことなどの事実を併せて考慮すると、宛先に組合本部らが記載されていなかったことによって、組合本部らと組合支部が分断され、組合支部らが弱体化するような可能性があったこと認めることは困難であるとされた例。
③ 仮に、会社が宛先に組合本部らを含めたくないという意思を表明するものであったとしても、現に組合本部らを含めて団体交渉を継続しているのであるから、組合らの運営や活動に影響を及ぼすとは認められず、組合本部らに対する信頼や信用をしなくなるような事態になるとは想像しがたく、まして、組合本部は約一万名の組合員を擁し、組合地本は四千五百名の組合であり、単に本件回答書の宛先に記載がないことだけで、組合支部と分断され弱体化する可能性があるとは考えられず、また、五ヶ月以上前の組合本部らの団体交渉への参加を拒否したことと本件宛先に記載がなかったことを一体として支配介入に当たるとは見ることができないとされた例。
 ④ 右記のとおり、会社が組合本部らを宛名を記載しなかった行為は、具体的状況の下で、参加人らの組織、運営又は活動に影響を与えて、組合を弱体化させる可能性を有するものであったとは認められないとされた例。

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
東京都労委平成15年(不)第6号 一部救済 平成17年11月15日
 
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