労働委員会関係裁判例データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[判例一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名  郵政省京橋郵便局等(組合事務室)
事件番号  東京地裁平成17年(行ウ)517号
原告 日本郵政公社
被告 国(処分行政庁 中央労働委員会)
参加人 郵政産業労働組合
郵政産業労働組合東京地方本部
郵政産業労働組合板橋支部
油性産業労働組合武蔵野支部
判決年月日  平成19年9月27日
判決区分  棄却
重要度   
事件概要   東京国際郵便局並びに渋谷、板橋及び武蔵野の3郵便局において、当局が、他組合には組合事務室を貸与する一方で、組合の各支部に対して組合事務室を貸与しないことが不当労働行為であるとして争われた事件で、日本郵政公社に対し、①組合事務室の使用の承認、②組合事務室の場所等の具体的条件についての速やかな協議を命じ、日本郵政公社東京支社長並びに板橋及び武蔵野郵便局長に対する申立ては却下し、その余の申立てを棄却した。
なお、東京国際郵便局及び渋谷郵便局に係る申立ては、組合事務室が貸与されたことにより取り下げた。
 公社は、これを不服として、東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、請求を棄却した。
判決主文  1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用(参加の費用を含む。)は原告の負担とする。
判決要旨  (争点1)支配介入該当性の判断
1 使用者が一方の組合に対して組合事務室を貸与しておきながら、他方の組合に対して一切貸与を拒否することは、合理的な理由が存在しない限り、労組法7条3号の不当労働行為に該当する。
2 この合理的な理由の存否については、施設の空間的余裕や利用状況等の客観的な事情、将来の見通しのほか、一方の組合に貸与されるに至った経緯や貸与拒否が組合に及ぼす影響等諸般の事情を総合勘案して判断すべきである。
3 特に、一方の組合に貸与した時期と、他方の組合に貸与を拒否した時期が異なる場合には、他方の組合に貸与を拒否した時期の施設の余裕等だけでなく、一方の組合に貸与した時の施設の余裕等との間で違いがあるかが検討されなければならない。
4 また、他方の組合に対する貸与拒否が長期にわたって繰り返されている場合には、貸与拒否が継続されている期間を通して施設状況の変化、貸与の余地が全くなかったかどうかなどを検討して判断しなければならない。
5 上記合理的な理由の存否を判断するに当たって、公社と民間企業との間で差異はないというべきである。
(争点2)板橋郵便局について
1 昭和51年現局舎を新築するについて全逓信労働組合北部支部板橋総分会及び全日本郵政労働組合板橋支部組合事務室として貸与すべきスペースを確保した上で設計、建築をし、貸与したことが推認される。
2 昭和51年当時と組合結成をした昭和58年当時を比較すると、局舎状況に大幅な差異が生じ、狭隘化が相当に進んだとは認められない。
3 昭和58年当時、区切られた部屋としてのスペースはなかったことが認められるが、そうだとしても何らかの工夫をしてスペースを捻出して、あるいは直ちに貸与をすることが困難であっても、部屋の用途の廃止やレイアウトの変更がおこなわれる際などに、スペースを確保して、郵産労板橋支部に対して組合事務室を貸与するようにしなければ、現局舎新築の直後に組合事務室を貸与した全逓板橋総分会及び全郵政板橋支部との公平、中立は保たれないというべきである。
4 郵産労板橋支部が原告の諸施策に反対し対立してきたこと、年末年始繁忙期を含めても、なおある程度の余裕があると認められること、同支部の組合事務室の貸与を受けられない間の措置としてわずかなスペースで足りるコーナーの貸与要求にも、公社が全く応じなかったこと、同支部が組合事務室を貸与されないことで組合活動に影響が出ていること等の事実に照らすと、公社は昭和58年以降一貫して組合事務室として貸与すべきスペースを確保することが全くできなかったわけではないにもかかわらず、同支部の貸与要求を拒否し続けたものと認めざるを得ないのであって、同支部に組合事務室を貸与しなかったことについて合理的な理由があったと評価することは困難であるといわざるを得ない。
5 本件命令時である平成17年において、不使用又は遊休施設が存在せず、あるいは容易にスペースを捻出することは難しいとしても、そのことから、貸与しないことに合理的な理由があるということはできない。
争点3 武蔵野郵便局について
争点2と同旨
争点4 救済方法の相当性
 本件命令は、公社に対し、組合事務室の貸与を命じるとともに、組合事務室の広さ、場所の具体的条件については、当事者間で協議し、合理的な取決めをしなければならないとするものであるから、労働委員会が命ずることができる救済の限度をこえるものではなく、また、公社の経営権を侵害するものでもないから、相当性を欠いたものではなく、中労委が救済命令を発出するについて、裁量の逸脱、濫用はない。

[先頭に戻る]

顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
中労委平成10年(不)第2号の2 一部救済 平成17年9月13日
 
[全文情報] この事件の全文情報は約270KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。