労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名 東日本旅客鉄道(千葉動労幕張電車区配転)
事件番号 東京高裁平成19年(行コ)第350号
控訴人 国鉄千葉動力車労働組合
被控訴人 国(採決行政庁:中央労働委員会)
参加人 東日本旅客鉄道株式会社
判決年月日 平成20年6月17日
判決区分 棄却
重要度  
事件概要 本件は、X組合が、副委員長X1及び執行委員X2を平成13年12月25日付けでX組合の拠点であるY会社千葉支社幕張電車区からそれぞれ同京葉電車区、同習志野電車区に配置転換した(以下「本件配転」という。)のは、不当労働行為に当たるとして、千葉県労委に対し、救済を申立てたところ、千葉県労委においてこの申立てを棄却する旨の命令がなされ、さらに中労委においても再審査申立てを棄却する旨の命令(以下「本件命令」という。)がなされたため、本件命令の取消を求めた事案である。
 原判決は、本件配転は不当労働行為に当たらず、本件命令に違法はないとして、X組合の請求を棄却したため、X組合はこれを不服として控訴した。
判決主文 1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
判決の要旨 ① 当裁判所も、本件配転が不当労働行為であるとは認められず、本件命令に違法はないから、X組合の請求は理由がないものと判断する。その理由は、以下のとおり、X組合の当審における補充主張に対する判断を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」中の第3に記載のとおりであるから、これを引用する。
② X組合は本件配転により、X1らが幕張電車区において組合活動を行うことができなくなったことにより、受けた不利益は極めて著しい旨主張するが、X1及びX2はX組合の本部の役員であって支部役員ではなく、本部役員としての業務遂行は幕張電車区に所属しなくても可能であると認められるうえ、京葉電車区ないし習志野電車区から幕張電車区に移動する時間は約15分ないし20分に過ぎないから、勤務時間終了後の幕張電車区における組合活動をすることは十分に可能であり、また、本部における会議への出席等の組合活動には何ら影響がなかったものと認められる。そして、本件配転によりX組合が弱体化したことやX組合の組合活動において具体的に悪影響が生じたことを認めるに足りる的確な証拠はない。したがって、X組合の主張を採用することはできない。
③ X組合は、Y会社において、平成採用社員を労使協調労組である別組合に加入させるため、X組合が多数派を占める幕張電車区には平成採用社員を当初配属しないようにするなどの意図的な労務政策をとっており、本件配転は、業務上の必要性があると称して、X組合の組合員に対する排除・差別攻撃を行おうとしたものにほかならないと主張する。しかし、平成7年度から採用するようになった平成採用社員の配属の目的は車両形式の少ない他の電車区で基礎を習得させ車両形式の多い幕張電車区に配転し検修職社員の育成を図っていたものであり、合理的であると認められる。
  また、ダイヤ改正に伴う車両運用の見直し等を踏まえて、各電車区間における社員の異動による人員数の需給調整を行う必要性が生じたものであり、このような業務上の必要性から本件配転がなされたものと認められる。
したがって、X組合の主張は採用することはできない。
④  X組合は、本件配転について業務上の必要性はなく、配転基準も実際には存在しておらず、Y会社が団体交渉や労働委員会の審理の中で辻褄合わせのために定立したものにすぎない旨主張するが、本件配転に業務上の必要性があったことは上記③のとおりである。
  そして、従業員の配転については使用者の合理的裁量が認められ、複数の適格者の中から適宜配転対象者を選定することができ、当該従業員でなければならないとする非代替性までは要求されず、当該配転基準が合理的であり、かつ、対象者がその配転基準に適合している限り、その配転を違法ということができないものであり、対象者が当該配転基準に適合している他の者より適切であることや、他より適正な者がいないことまで使用者が検討して人選しなければならないものではないというべきところ、本件配転は合理的な配転基準によってなされたものというべきであり、配転基準がなかったとか、辻褄あわせの配転基準に過ぎなかったと認めることはできない。
   したがって、X組合の主張は採用することができない。

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
千葉県労委平成14年(不)第4号 棄却 平成16年1月7日
中労委平成16年(不再)第3号 棄却 平成17年10月5日
東京地裁平成18年(行ウ)第20号 棄却 平成19年9月12日
 
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