労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名 塚本学院
事件番号 大阪地裁平成19年(行ウ)第132号
原告 学校法人塚本学院
被告 大阪府(処分行政庁:大阪府労働委員会)
被告補助参加人 大阪私学教職員組合
判決年月日 平成20年6月25日
判決区分 棄却
重要度  
事件概要 X組合が、Y法人によって組合掲示板を移転されたこと及びこれに関するY法人のX組合に対する交渉態度が不当労働行為に当たるとして、大阪府労委に救済を申し立てたところ、大阪府労委は、①組合掲示板について従前設置されていた場所に相当する場所の貸与、②文書手交を命じた(以下「本件命令」という。)。
 Y法人が、これを不服として、本件命令の取消しを求めて提訴したものである。
判決主文 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は,補助参加によって生じた費用を含め原告の負担とする。
判決の要旨 ① 争点1(組合掲示板の移転が支配介入に当たるか否か)について
ア 本件組合掲示板の移転の経緯について
 Y法人は、組合掲示板についてX組合、X組合分会の合意がないままY法人が提案した場所に設置したことが推認され、同認定を覆すに足りる証拠はない。
イ 組合掲示板の無償貸与等を定めた協定(以下「本件協定」という。)との関係について
(1)本件協定の効力について
 Y法人とX組合は、昭和51年3月8日、それぞれの署名押印のある組合掲示板の無償貸与を定めた本件協定を締結しているところ、同協定は労働協約としての効力を有していることが推認され、Y法人は、X組合に対し、労働協約としての本件協定に基づいて本件組合掲示板を設置することを約束したというべきである。
(2)本件協定(労働協約)の解約の有無
 Y法人は、平成17年1月21日付け書面による申し入れによって、本件協定の解約を予告した旨主張する。
 しかし、同申入書は、その文面からすると芸大組合掲示板の移転を申し入れたものであって、本件協定の解約を示す文面記載はなく、同申入書から直ちにY法人が主張するような内容の意思表示がなされたと解することはできない。その他、Y法人が1月21日の当時、X組合分会に対し、同趣旨の意思表示をしたと認めるに足りる的確な証拠はない。
(3)本件組合掲示板の移転に関する労使協議について
 Y法人は、本件組合掲示板の移転についてX組合分会との間で協議を十分に尽くしたとまでは認めがたく、その他、それを認めるに足りる証拠はない。
(4)本件組合掲示板の移転による組合活動への影響について
 本件組合掲示板の設置場所は、従前の場所が通路に面しており、通行者の目に触れる位置にあったのに対し、移転後は、いずれも講師控室内であって、X組合組合員を含むY法人関係者における閲覧の機会を制限するものであり、X組合分会による情報宣伝活動の効果に少なからず影響を及ぼすものであったことが推認され、同認定を覆すに足りる証拠はない。
(5)本件組合掲示板が設置されていた場所の状況について
 本件組合掲示板の設置されていた場所は、本件組合掲示板を移転した後、本件組合掲示板の原状回復を計ることを困難な状況にしたことが推認され、同認定を覆すに足りる証拠はない。
(6)本件組合掲示板の移転に関するY法人の意向について
 Y2理事は、平成17年5月23日の団体交渉において、本件協定が労働協約であっても当事者が一方的に90日で解約出来る旨述べ、芸大組合掲示板について、「通路にはいい絵でもかけている方がずっといいですよ」等と述べたこと等の事実によれば、Y法人は、芸大組合掲示板については11号館の改築工事の機会を利用して、短大部掲示板については組合事務室の移転等の機会を利用して、各組合掲示板を関係者の目の触れにくい場所に移転しようと意図したことが窺われる。
(7)小括
 以上によれば、Y法人がX組合分会の本件組合掲示板を移転した行為は、X組合分会における労働組合としての情報宣伝活動において不利益となるもので、また、X組合分会の運営に対して支配介入したものであって、支配介入に該当する不当労働行為であるとするのが相当である。
② 争点2(組合掲示板の移転に関する交渉態度が団交拒否に当たるか否か)について
 認定事実によれば、Y法人は組合掲示板の移転についてX組合分会からの各団交申入れに対して、正当な理由なく団交を拒否し、誠実に団交を行わなかったことが推認され、同認定を覆すに足りる証拠はない。
 したがって、本件組合掲示板の移転に関するY法人の交渉態度は、正当な理由なく団交を拒否したものとして、労組法7条2号の不当労働行為に当たる。

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪府労委平成15年(不)第66号 一部救済 平成19年3月5日
大阪府労委平成18年(不)第5号 全部救済 平成19年6月12日
大阪地裁平成19年(行ウ)第56号 棄却 平成20年6月25日
 
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