労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名 モービル石油(懲戒処分等)
事件番号 東京地裁平成19年(行ウ)第254号
原告 スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合
被告 国(処分行政庁:中央労働委員会)
被告補助参加人 エクソンモービル有限会社
判決年月日 平成20年10月30日
判決区分 棄却
重要度  
事件概要 X組合は、Y会社が、X組合の組合員であるX1に対し、①配置転換の拒否、業務の妨害等を理由として出勤停止15日の懲戒処分に付したこと、②申請した有給休暇を認めず、これを欠勤扱いとして賃金カットを行ったこと、さらに追加申立てとして、③配置転換を命じたことが、それぞれ不当労働行為(不利益取扱い及び支配介入)であるとして、大阪府労委に救済申立てを行った。
 大阪府労委は、上記①及び②については、不当労働行為と認めず救済申立てを棄却し、③については申立期間を徒過したものであるとして却下した。
 X組合は、これを不服として中労委に再審査申立てをしたところ、中労委はこれを棄却した(以下「本件命令」という。)。
 本件は、X組合が本件命令を不服として、その取消しを求めた事案である。
判決主文 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用(補助参加費用を含む。)は原告の負担とする。
判決の要旨 ① 労働委員会は、不当労働行為の救済申立てが、行為の日(継続する行為にあってはその終了した日)から1年を経過した事件に係るものであるときは、これを受けることができない(労働組合法第27条第2項)。
  配転命令は、それ自体で完結した行為であり、その後継続する行為に該当するような事実がないことが明らかである。したがって、配転命令については、その発令の時をもって同項にいう「行為の日」に当たると解するのが相当であるところ、X組合は、本件配転命令が発令されて約8年後の平成3年に救済申立てを追加で行ったのであるから、申立期間を徒過した不適法なものであることは明らかである。
② Y会社が、X組合の組合員X1が行った配置転換の拒否や業務の妨害等の11項目の行為を懲戒処分該当行為としたことについて、就業規則に照らして、懲戒処分の理由としたことが相当かどうか検討すると、一部の行為を除き、懲戒処分の理由として相当と認められ、また、その一部の行為も、全く問題がない行為であるというわけではない上、他の多数の懲戒処分該当行為は懲戒処分の理由として相当であるから、本件懲戒処分全体が不当となるとはいえない。
 また、懲戒処分の理由として掲げられた事由のうち、懲戒処分の理由として相当でない行為があったとしても、そのことから、本件懲戒処分が、X組合に対する攻撃であって不利益取扱い、支配介入ということもできないことから、本件懲戒処分は、不利益取扱い及び支配介入には当たらない。
 したがって、これと同旨の本件命令が違法であるとはいえない。
③ X組合の組合員X1に対する本件賃金カットが正当か否か、ひいては不利益取扱い及び支配介入に当たるか否かは、Y会社が、X1の指名ストについて、正当なストライキとして扱うことはできないとして欠勤扱いとした結果であり、昭和58年4月1日から昭和59年9月9日までの間の指名ストが正当な争議行為といえるか否かに帰着するところ、X1は、就業時間内にハンドマイクで演説をしたり、事務所窓ガラスにビラを貼付けたりする等を行い、これらの行為は、その手段、態様において、労務の停止という消極的なものにとどまらない、積極的業務妨害行為であり、1年半もの間継続したのであるから、正当な争議行為とは認められないのは明らかである。
したがって、X組合の組合員X1に対し、指名ストを行った日を欠勤扱いし、本件賃金カットを行ったことは不利益取扱い及び支配介入に当たらず、これと同旨の本件命令が違法であるとはいえない。

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪府労委昭和60年(不)第61号 却下・棄却 平成5年8月18日
中労委平成5年(不再)第35号 棄却 平成18年10月4日
東京高裁平成20(行コ)第402号 棄却 平成21年3月25日
 
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