労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名 シオン学園
事件番号 横浜地裁平成19年(行ウ)第65号
原告 株式会社シオン学園
被告 神奈川県(処分行政庁:神奈川県労働委員会)
被告補助参加人 全国自動車交通労働組合総連合会神奈川地方労働組合
被告補助参加人 全国自動車交通労働組合総連合会神奈川地方労働組合三共自動車学校支部
判決年月日 平成20年11月27日
判決区分 棄却
重要度  
事件概要 Y学園は自動車学校を経営している。Y学園の自動車学校の指導員として勤務するX1は平成11年4月1日に正社員となったが、他の正社員との賃金格差があったっため、自動車交通事業の関連する労働者で組織されるX労働組合の支部組合に加入し、Y学園に賃金格差是正を要求したが合意に至らなかった。(X1は、平成15年6月13日に別件訴訟を提起し、X1に対する賃金格差は不当労働行為であるとした平成18年7月20日の高裁判決が確定している。)
 このような状況下にあって、Y学園は、X1が学園の名誉・信用を傷つけ損害を与えるような行動を行ったとして、平成16年12月14日付け、平成17年4月20日付け及び同年10月30日付けで停職処分とした。X組合らはこれらの処分が不当労働行為に当たるとして、神奈川県労委に救済の申立てをしたところ、神奈川県労委はX1に対する各停職処分は不当労働行為に該当するとしてY学園に、X1への停職処分がなかったものとした取い扱いなどを命じた(以下「本件命令」という。)。
 本件は、Y学園が、本件命令を不服としてその取消しを求めた事案である。

判決主文 原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
判決の要旨 ① 懲戒事由に該当する場合に懲戒処分の選択については、懲戒権者は懲戒事由に該当すると認められる所為の外部に表れた態様のほか、同所為の原因、動機等、さらに、当該職員のその前後の態度や懲戒処分歴など諸般の事情を総合考慮した上で、懲戒権者の企業秩序確保という見地から考えて相当と判断した処分を選択すべきで、同判断には懲戒権者の裁量が認められるところ、当該懲戒処分が、その原因となった行為との対比において甚だしく均衡を失し、社会通念に照らして合理性を欠く等裁量の範囲を超えてされたものではない限り、その効力を否定することはできないと解される(最高裁昭49年2月28日第一小法廷判決、民集28巻1号66頁参照)。
② Y学園は、X1が労働組合に加入したことを理由として賃金格差是正を行わなかったところ、同賃金是正を求めてX1が別訴を提起して以降、X1に事実関係を調査することなく、X1に対する懲戒処分を繰り返すようになっており、X1に対する各処分には合理性が認められないことからすれば、Y学園はX1の言動を問題にし、それを戒める為に止まらず、X1がX組合の支部の組合員であることを嫌って報復的措置を採ったものであると認められ、不当労働行為意思に基づいて労働組合法7条1号にいう不利益扱いをしたというべきである。
③ X1に対する各停職処分は、X1の賃金是正問題で対立関係にあったX組合らがその手段を団体交渉から裁判に移したことを契機として、当事者であるX1に対して不利益を課し、ひいてはX組合らの活動を阻害又は萎縮させる効果を有すると認められるものであるから、労働組合法7条3号にいう支配介入であると認められる。
④ X1に対する各停職処分が不当労働行為に該当するとした本件命令は適法であって、Y学園の請求には理由がないから棄却する。

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
神奈川県労委平成17年(不)第18号 一部救済 平成19年7月4日
 
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