労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名 住友ゴム工業
事件番号 神戸地裁平成19年(行ウ)第97号
原告 ひょうごユニオン
被告 兵庫県(処分行政庁:兵庫県労働委員会)
被告補助参加人 住友ゴム工業株式会社
判決年月日 平成20年12月10日
判決区分 全部取消
重要度  
事件概要 X組合は、Y会社の元従業員2名(X1及びX2)及び死亡した元従業員(X3)の妻1名が加入する労働組合であるところ、X組合がY会社に対し、団体交渉を求めたのに対し、Y会社がこれを拒否したため、兵庫県労委に対し、不当労働行為の救済申立てを行った。
 兵庫県労委は、この申立てを却下する旨の決定をしたため、X組合が、その取消しを求め提訴したものである。
判決主文 1 処分行政庁が,兵庫県労働委員会平成18年(不)第3号住友ゴム工業不当労働行為救済申立事件につき平成19年7月5日付けでした原告の申立てを却下するとの決定を取り消す。
2 訴訟費用のうち,補助参加により生じた費用は,補助参加人の負担とし,その余の費用は,被告の負担とする。
判決の要旨 ① 労働組合法7条は、労働者の団結権を侵害する一定の行為を排除、是正して正常な労使関係を回復することを目的とする規定であり、この規定は、正常化すべき労使関係、即ち使用者との間の労使関係を前提としている。したがって、同条2号にいう「使用者が雇用する労働者」とは、基本的に使用者との間に現に労働契約関係が存在する労働者をいうと解される。
  もっとも、労使契約関係が存在した間に発生した事実を原因とする紛争に関する限り、当該紛争が顕在化した時点で当該労働者が既に退職していたとしても、未精算の労働契約関係が存在すると解し、当該労働者も「使用者が雇用する労働者」であると解するの相当である。
② これを本件についてみると、X1、X2は、Y会社との労働契約関係が存在していた間に業務により石綿を吸引したことにより健康被害が発生していると主張し、Y会社に石綿使用実態を明らかにすることなどを求めているところ、石綿による症状が長期間経過した後に発生しうるものであることなどからすると、X1及びX2の心配はもっともである。
  したがって、X組合が求めた本件団体交渉は、X1及びX2の在職中に発生した事実に起因する紛争に関してされたものであって、両名が加入しているX組合は「使用者が雇用する労働者」の代表者であると解される。なお、死亡したX3の妻は、X3がX組合に加入した事実はないから、Y会社はX3についての団体交渉に応じる義務を負わない。
③ X組合は、X1及びX2を代表する労働組合であり、本件団体交渉の要求は、両名とY会社との間の安全配慮義務を巡る紛争に関するものであることから、Y会社は、X組合と団体交渉を行う義務を負う。よって、X組合による救済申立てを却下した本件決定は違法であり、これを取り消す。

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
兵庫県労委平成18年(不)第3号 却下 平成19年7月5日
大阪高裁平成21年(行コ)第11号 棄却 平成21年12月22日
最高裁平成22年(行ツ)第126号・平成22年(行ヒ)第138号 上告棄却・上告不受理 平成23年11月10日
最高裁平成22年(行ツ)第127号・平成22年(行ヒ)第139号 上告却下・上告不受理 平成23年11月10日
 
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