労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  郵便事業 
事件番号  広島地裁平成23年(行ウ)第3号  
原告  郵便事業株式会社  
被告  広島県(処分行政庁:広島県労働委員会)  
被告補助参加人  郵政労働者ユニオン中国地方本部
郵政労働者ユニオン安芸府中支部(以下「支部」という。)
個人X1  
判決年月日  平成24年9月26日  
判決区分  棄却  
重要度   
事件概要  1 会社が支部の書記長であったX1に対し安芸府中支店から広島東支店への異動を命じたこと(以下「本件異動命令」という。)が、不当労働行為に当たるとして、広島県労委に救済申立てがあった事件である。
2 広島県労委は、会社に対し、①X1の原職復帰、②組合への文書交付を命じ、会社に対するその余の申立てを棄却し、支社及び支店に対する申立てを却下した。
 本件は、これを不服として、会社が広島地裁に行政訴訟を提起した事件であるが、同地裁は、会社の請求を棄却した。
判決主文  1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用及び補助参加費用は原告の負担とする。  
判決の要旨  1 本件異動命令は、労働組合の正当な活動を理由とする不利益取扱い(労組法7条1号本文)に当たるか
 〔安芸府中支店郵便課においては外務正社員は計画人員より多い状態(過員)ではあったものの、実際の業務量との関係で人員が不足し、他方、広島東支店第一集配課及び第二集配課において人員が不足していた様子はうかがえないなど〕本件異動命令は、業務上の必要性に疑問があり、しかも、選考基準や異動予定者の人選に不自然な点や疑問点が散見されるから、これが支部と安芸府中支店の労使関係は従来から必ずしも良好であったとはいえず、安芸府中支店長も、支部の組合活動が安芸府中支店にとって好ましからざるものであることと、X1が支部の組合活動の中心的役割を担っていたことを認識していたという状況の下で発令されたことも併せ考えると、むしろX1が正当な組合活動をしたことを理由にしてなされたと推認するのが相当である。
 そして、X1は、本件異動命令後は、安芸府中支店の職場の問題に取り組むことが実際上困難となり、また、窓口担当正委員の任期を残していたにもかかわらず、窓口交渉の担当になることを安芸府中支店において拒否されたことからすれば、本件異動命令によって、本件異動命令以前と同様の組合活動を行うことは困難となったといえるから、本件異動命令によってX1には、組合活動上の不利益が生じたと認められる。
 以上によれば、本件異動命令は不利益取扱い(労組法7条1号本文)に該当する。
2 本件異動命令は、労働組合の活動に対する支配介入(労組法7条3号)に当たるか
 本件異動命令は、合理的な必要性がないにもかかわらず、支部の組合活動の中心的役割を担っていたX1を広島東支店へ異動させているところ、これが支部と安芸府中支店の労使関係は従来から必ずしも良好であったとはいえず、安芸府中支店長も、支部の組合活動が安芸府中支店にとって好ましからざるものであること、X1が支部の組合活動の中心的役割を担っていたことを認識していたという状況の下で発令されているから、これらを併せ考えると、本件異動命令は、支部の組合活動を抑制する効果を狙って行われたと推認せざるを得ない。
 そして、本件異動命令後の窓口交渉の回数、支部執行委員会の開催回数、安芸府中支店に対する要求書の提出回数は、本件異動命令以前のそれと比較して減少しているから、本件異動命令によって支部の組合活動が著しく減退したことが認められる。
 以上によれば、本件異動命令は支配介入(労組法7条3号)に該当する。
その他   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
広島県労委平成21年(不)第5号 一部救済 平成23年1月7日
広島高裁平成24年(行コ)第26号 棄却 平成25年4月26日
 
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