労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  都労委平成27年(不)第38号その2
日本空手協会不当労働行為審査事件  
審査申立人  X組合(「組合」) 
審査被申立人  法人Y(「法人」) 
命令年月日  平成29年2月21日 
命令区分  全部救済 
重要度   
事件概要   東京都労委平成27年不第38号事件は、①平成27年2月8日、法人が同月17日に組合の委員長Aを、法人の運営に対する誹謗中傷行為等を行ったとして懲戒解雇したことを議題とする団体交渉を組合が申し入れたのに対し、組合ではなく、Aあてに、組合の法適格等に疑義がある旨の求釈明書を送付し、団体交渉に応じなかったことが不当労働行為に当たるとして当初の申立てがあり、②法人が行ったAの懲戒解雇の撤回及び原職復帰に関して追加申立てがあった事件である。
 東京都労働委員会は、当初の団体交渉に関する申立てを分離して審査し、法人に対し、文書の交付及び掲示を命じた。




 
命令主文  1 被申立人法人は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申立人組合に交付するとともに、同一内容の文書を55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の白紙に、楷書で明瞭に墨書して、法人内の従業員のみやすい場所に、10日間掲示しなければならない。

             記

                                  
                                    年 月 日
  組合 
  執行委員長 A殿
                         法人
                         代表理事 B1
 
  当協会が、平成27年2月18日に貴組合が申し入れた、貴組合の組合員A氏の懲戒解雇を議題とする団体交渉に応じなかったことは、東京都労働委員会において不当労働行為であると認定されました。
 今後、このような行為を繰り返さないよう留意します。
 (注:年月日は文書を交付又は掲示した日を記載すること。)
2 被申立人法人は、前項を履行したときは、当委員会に速やかに文書で報告しなければならない。

 
判断の要旨  1 団体交渉に応じないことに関する法人の主張について
① Aが労働組合の名で労働組合の本来の目的とかけ離れた主張を繰り返してきたとの主張について
 法人の指摘する、法人の従業員でないCの代議員資格について(平成27年)7月11日付質問状を発出したこと、総本部指導員の正会員資格を復活させるよう定款変更の議案の提出を求めたこと等の組合の行動や要求自体が、直ちに組合員の労働条件に無関係であるとはいえない。
 その上、組合が(平成27年)7月25日付質問状、(同年)10月25日付要求書及び(同年)12月24日付団体交渉申入れにより、給与、賞与、人事異動、定年制の撤廃など、組合員の労働条件について質問や要求をしていることは明らかであるから、組合の主たる目的が組合員の維持改善でないということはできない。
 したがって、上記組合の行動を理由に団体交渉当事者としての適格性に疑義があったとする法人の主張は採用することができない。
② 組合員が名義貸与者に過ぎないとの主張について
 組合員が名義貸与者に過ぎないとの法人の主張を裏付ける具体的な事実の疎明がない。
③ 法人の釈明の求めに組合が応じなかったとの主張について
 上記①及び②のとおり、組合の団体交渉当事者としての適格性に疑義があるとする法人の主張は採用することができないのであるから、組合の法適格性に係る法人の求釈明事項に組合あるいはA個人が回答しなかったとしても、そのことは法人が団体交渉を拒否する正当な理由とはならない。
④ 結論
 組合及びAが法人の求釈明事項に回答していないことは、法人が団体交渉を拒否する正当な理由とは認められないのであるから、27年2月18日に組合が申し入れたAの懲戒解雇に関する団体交渉に、法人が応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に該当する。
2 救済利益について
 本件係属中の28年11月8日、第1回団体交渉開催が開催され、第2回団体交渉開催に向けて日程調整も行われているという状況にある等の事情を考慮しても、本件申立て以前の法人の団体交渉拒否が、組合と法人の紛争を拡大させた上、法人は、本件審査手続において、本件団体交渉申入れに応じなかったことに正当な理由があるとの主張を維持していることなどから、救済利益が失われているということはできない。  
掲載文献   

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